理想のランニングフォームを習得するには?正しい走り方の基本を徹底解説
正しいランニングフォームを身につけると、マラソンで良い成績を残せたり、ケガをしにくくなったりと、たくさんのメリットがあります。
「いかに練習をしないでフルマラソンのタイムを縮めるか」を研究してきた結果、もっとも効果的だと結論づいたのが「ランニングフォームの適正化」です。
練習がちょっと嫌いだなと思うランナー方のみならず、故障続きであえいでおられるランナーの方にもぜひ知っていただきのが正しいランニングフォームです。
サブスリーを実現できた筆者が学んで実践してみたランニングフォームについてご紹介します。
ジャンプできる目次
月間走行距離200km以下でベストタイムを出せた
平日の帰宅時間は23時頃ということも多く、月間走行距離が200kmに満たない月もありました。
その頃は、「もっと走りたい」という思いはありつつも、「なんとか工夫してフルマラソンのタイムを縮めたい」と試行錯誤していた記憶が強く残っています。
肝心のフルマラソンのタイムは、ベストタイムの3時間15分から2時間57分まで伸ばすことができ、念願のサブスリーを実現できました。
「周りのサブ3のランナーにはまだ太刀打ちできないが、工夫することでなんとかタイムは縮めていける」という自信が身につきました。
練習不足でもタイムを縮められたことで、やはり、「ランニングフォームをひたすら意識したジョグを繰り返したのがよかったんだ」という結論になりました。
どんなランニングフォームを意識するとよいのか?
マラソン大会の写真を見て、「うわ、、私の走り方なんかダサい、、」と思われた方もおられるのでは?
私もその1人です。。
例えば、「腰が落ちたフォーム」は、骨盤が後傾して猫背になった状態で走ることになるのでダイレクトに足にダメージがきます。
ランニングフォームは個々人で各々の特徴がありますので「正確な答え」はないんですが、正しいフォームを意識する共通点はあります。
骨盤を前傾させるランニングフォーム
一時期、「ベアフットラン」というのが流行り、「フォアフットランこそランニングにおいて最強の着地」といわんばかりの「フォアフット信仰」が人気だったときがあります。
私は、これが正解でもあり、不正解でもあると考えています。
確かに「散歩するかのように」世界記録を出し続けるケニア人のランナーにはフォアフット着地が多いのは事実ですが、ケニア人がフォアフットで走っているのは骨盤が前傾しやすい体型であることからなんです。
また、幼少期から裸足で片道20kmの通学をしていたりするエピソードも有名ですよね。
ただ、日本人がフォアフットで「無理やり」着地するというのはナンセンスで、正解は「骨盤を前傾させた結果、スピードを出した時に自然とフォアフットになる」ということなんです。
骨盤を前傾させるには、体幹を鍛えるのが一番の近道です。
特にフルマラソンともなるとかなり長丁場です。
常に骨盤を前傾させた走りをさせるには、「強い腹筋」と猫背にならないように「強い背筋」が必要です。
また、骨盤を前傾させるということは、お尻を軽く上げたフォームにもなりますので、臀筋を鍛えることも大事となります。
結果的に「フォアフット」あるいは足全体でのフラット着地になります。
「足だけで走らないフォーム」になることが大切です。
骨盤を前傾させるということは、腕振りなど、上半身との動きと連動することで起こることなのです。
「お腹で走る」ランニングフォーム
ランニング運動を考えると、一番酷使するのは「足」になります。
フルマラソンともなると、42.195km足を動かし続けることになります。
フルマラソンになるとどうしても足が攣ってしまうという方、特にふくらはぎが攣りやすい方であれば「足だけで走っている」可能性が大です。
「足で走るのは当たり前だろう」と思われそうですが、実は楽に走るには「お腹走り」が重要です。
すなわち、腹筋に意識をおいて、腕振りとの連動で腹筋の力を使って「グイッ」と骨盤を動かすイメージでしょうか。
支点は、おへその下の「丹田」です。
丹田に意識をおきながら、身体のブレを抑えます。
この際、脚の振り出しは足の付根と内転筋を意識することです。
また、太ももが上がった走りをするために、膝を約1cm上げるというイメージを持ってジョグの練習をすることも効果的です。
腕振りはランニングフォームの要
それほどまでいいタイムを持ち合わせていない私でも痛感しているのが、「腕振りの重要性と難しさ」です。
ちなみに私は「おねぇ走り」と妻から揶揄されることが多いんですが、腕振りが特徴的でも力の伝え方が適切であれば、無駄なエネルギーを使わないでマラソンを走り切るきっかけになると思っています。
腕振りは奥深く、Qちゃんの愛称でお馴染みの高橋尚子さんのように特徴的な方もいらっしゃれば、藤原新さんのようにコンパクトに折りたたんでピッチを上げることを意識した腕振りもあります。
また市民ランナーの星である川内優輝さんであれば、ストライドの広さを生み出すダイナミックな腕振りもあります。人それぞれで「自分にあった」腕振りがあるといえます。
実は、この「腕振り」こそがランニングフォームの源といえ、上半身から下半身の連動を生み出す最大の武器ともいえるんです。
腕振りに関しては各々の骨格や筋力、上半身より下半身が長いのか、はたまた逆かにも左右されるので「答え」はないのですが、以下の点が重要ではないでしょうか。
- 肩を脱力させる
- 結果的に肘を後ろに引く
- 肘を引いた際に肩甲骨が動くことを意識する
- 腕のふりだしで腹筋と骨盤を連動させる
ちなみにこの腕振りは私も苦戦していて、今またフォームを作り上げているところです。
おそらく、トップランナーの方でもこの腕振りに関しては「日々是勉強」といった方も多いでしょう。
→ 腕振りについてもっと知りたい方は ランニングで速く走るための正しい腕振り方法まとめ にて
正しいランニングフォームの習得にはウォーキングで基礎づくり
「ゆっくり走れない人は、速くも走れない」
筆者が尊敬する一人のランナーがよく言うセリフです。
これは言い得て妙で、「きちんとしたフォーム」でないとゆっくり走れないという解釈もできるわけですね。
巷のランニング雑誌やウェブサイトでは、レベルアップのためには必ず「きつい練習」を推奨しています。
これは間違っていません。
ただ、まずはフォームを作ることからが大前提。
強度を高めた練習では、故障も誘発します。そうならないためにしっかりとフォームを作る。
正しいランニングフォームの習得に、「ウォーキング」ってあながち間違いではないと考えています。
なぜウォーキングがランニングフォームづくりの基礎となるのか
私は昔からかなりの猫背です。
ただ、猫背で走るとなると、腰は落ちて体幹は使えませんし、胸が広がらないので呼吸もしにくくなります。
これを改善するためには、常に「体を立てる」意識を持つことである程度は改善可能です。
日常でも、常に丹田(おへその下)に意識をおき、腹筋と背筋を使って、「上半身を立たせる意識」を持つことは、ランニングにおいて上半身を使えるフォームがつく一歩です。
というのは、ウォーキングをする際に意識を置く部分が、ランニングフォーム改善の一歩となるからです。
- 丹田を意識して、上半身を立てて歩く
- 腹筋と背筋を意識し、常に上半身を骨盤の上に立たせる意識を持たせて歩く
- 肩甲骨をしっかり引くことで、骨盤との連動のフォームを身につけることができる(ひじをしっかり引いて歩く)
- 足の振り出しは、骨盤から。意識としては、内転筋と股関節から足を前に持っていく
これすべてを意識して歩ければ、ジョギングの際にも「意識の違い」が芽生えます。
これがランニングフォームの改善の一歩となるわけですね。
ウォーキングは退屈だから「嫌だ」となりがちの方へ
実は筆者もそうなのですが、「LSDで走る」とか、「ウォーキングで動きを作る」というのは、退屈ゆえに毛嫌いすることが多いです。
あまり良いこととは言えないんですが……。
そういった方は、普段の生活の全てをランニングフォーム改善の意識に置くことがおすすめです。
買い物中に歩くとき、営業マンが出先へ歩くとき、家でトイレまで行くとき、階段を登るとき、どんなときにも「動きづくり」を意識すると、ランニングフォーム改善が「日常」となります。
無意識にできるようになれば、何も無理してウォーキングすることはないですし、常に意識下に置くということがジョギング中の“集中”につながります。
こうしてキーボードを叩いている筆者も、知らぬ間に猫背になりそうになりますが、無意識に腹筋に意識を置けるようになってきました。
正しいランニングフォームまとめ
強い強度のトレーニングは、速くなる上で必要不可欠だと思います。
ただ、きついトレーニングにリスクはつきもの。
ブレのあるフォームで追い込んでしまって故障してしまっては、せっかく積み上げてきたものもマイナスにすらなります。
まず、原点回帰。
基礎の上に応用があることを信じて、地味な作業を日常化させませんか?
確かにマラソンで好記録を出すことは練習量に依存することは間違いないと思います。
ただ、練習量だけでマラソンを楽しむというアプローチもあれば、「いかに楽しくマラソンを走りきれるか」といった楽しみ方もあると思います。
また、記録が伸び悩んでいる方が練習量に依存しているのであれば、ランニングフォームを改善するといった方法も有効です。
今回ご紹介したランニングフォームに関してはあくまで私見によるものですので、もしランニングフォームの改善に興味がある方は色々と調べられてトライ・アンド・エラーされるのもいいかもしれません。
自分にあったランニングフォームの改善で、楽しいフルマラソンを走りきってください。