フォアフット走法とは?メリットやデメリット、着地のポイントを解説
フォアフット走法とは、足のフォアフット(前足部)、つまり、つま先から着地する走り方です。
ケニアやエチオピアなどのアフリカ出身の選手が得意とする走り方で、日本人の体型には向いていないとされています。
この記事では以下の内容を解説していきたいと思います。
- フォアフット走法とはどんな走り方?
- フォアフット走法のメリット
- フォアフット走法のデメリット
- フォアフット走法を自然に身につける方法
- フォアフット走法でケガを防ぐために気をつけたいポイント
- フォアフット走法のまとめ
さて、早速ですが、フォアフット走法がどんな走り方かご紹介します。
ジャンプできる目次
フォアフット走法はどんな走り方?
冒頭でも述べましたが、フォアフット走法とは、足のつま先から着地する走り方です。
アキレス腱のバネを使う走り方で、筋肉への負担が小さく、長距離でも疲れにくいとされているのが特徴です。
フォアフット走法は、ケニアやエチオピアなどのアフリカ出身の選手が得意としていて、日本人には向いていないとされています。
まずは、アフリカ出身の選手が得意とする理由について説明します。
アフリカの選手がフォアフット走法を得意とするのはなぜ?
アフリカの選手がフォアフット走法を得意とするのは、子供の頃の生活習慣が影響しているとされています。
幼い頃から舗装されていない道を長い時間裸足で歩いたり、走る機会が多く、足全体の筋肉やアキレス腱が発達しているからこそフォアフットで走れるとされています。
また、アフリカの選手は、骨盤が前傾しているので、フォアフット走法をしたとしても、足が真下に着地しやすい体型なのです。
フォアフット走法が日本人に向いていない理由
フォアフット走法が日本人に向いていない理由は、ずばり、骨格や筋肉の付き方がフォアフット走法に適していないからです。
日本人は、骨盤が落ちていて、かかとに重心がかかりやすい体型なので、フォーム全体を改善しない限りフォアフット走法の習得は難しいでしょう。
また、骨格や筋肉の付き方が弱いと、蹴る出す力が弱くなり、逆にアキレス腱などに負担がかかって故障しやすいです。
以上のことから、日本人がフォアフット走法を習得するのは難易度が高いとされています。
フォアフット走法のメリット
フォアフット走法のメリットは2つあります。
- 疲れにくいので長距離ランに向いている
- 故障しにくくなるのでケガの予防に繋がる
疲れにくいので長距離ランに向いている
フォアフット走法は、アキレス腱のバネを生かして走ることができるので、筋肉への負担が小さくなります。
地面への接地時間が短く衝撃が分散されやすい走り方なので、疲れにくいランニングが可能になります。
また、フォアフットでの着地は、体の軸をキープしたまま前傾姿勢の形になるので推進力も上がるでしょう。
故障しにくくなるのでケガの予防に繋がる
フォアフット走法は、ヒールストライク走法(かかとからの着地)に比べると、ひざへの軽減がされます。
フォアフット走法のデメリット
フォアフット走法のデメリットは2つあります。
- 日本人には習得が難しい
- 無理に習得しようとするとケガに繋がりやすい
日本人には習得が難しい
フォアフット走法は、日本人の体型だと習得が難しいです。
日本人の体型は骨盤が落ちていて、重心がかかと側にあるのが一般的です。
なので、海外ランナーと比べると、フォアフット走法の習得が難しいとされています。
無理してフォアフット走法を続けてしまうと、ふくろはぎやアキレス腱に大きな負担がかかるのでケガをしやすくなってしまいます。
マラソンに適しているフォアフット走法ですが、始めにお伝えした通り、海外ランナーと比べ日本人は骨格や筋肉のつき方もかなり異なるため、日本人の体形では逆に負担が大きいともいわれています。
日本人の体形は、基本的に重心がかかと側にかかる事が一般的と言われているため、つま先から着地するフォアフット走法を習得する場合、かなりの身体改革が必要になってくるからです。
意識的につま先から着地することはできますが、自身の身体のベースが整っていないまま実施した場合、ふくらはぎやアキレス腱に大きな負担がかかってしまい、思わぬ故障や怪我につながりますので十分に注意しましょう。
無理に習得しようとするとケガに繋がりやすい
日本人に向いていないフォアフット走法を無理に習得しようとするとケガに繋がりやすくなってしまいます。
意識的につま先で着地すれば、フォアフット走法で走ることはできるでしょう。
ただ、ランニングフォーム全体の姿勢がフォアフット走法に適していない形であったりすると、ふくろはぎやアキレス腱に逆に負担がかかってしまうのです。
フォアフット走法を自然に身につける方法
当ブログで何度か説明していますが、フォアフット走法=無理やり前足部で着地する、ということではないです。
フォアフット走法は、結果的に「フォアフット走法」になるフォームということが大切です。
足長で、どちらかといえば胴が短いランナーが多いアフリカ人は、幼少期から裸足で片道20kmを走って通学などの習慣の結果、自然に「フォアフット走法」が身についています。
というのも、裸足で走るということは、「フォアフットでないと効率が悪く、速く走れない」からなのです。
一度、裸足でダッシュをしてみれば分かるんですが、ヒールストライクだと全く速く走れません。
ヒールストライク自体を否定はしませんが、「あえてのヒールストライク」は、着地衝撃を大きくする可能性もあります。
もちろん、日本人の骨格や体格が「ヒールストライクに適している」ということもあるので、一概に「フォアフット走法が効率がよい」とはいえません。
ただ、ヒールストライクに比べて、フォアフットは「着地から得られる推進力」よりも、「上半身主導の推進力」を強く求められます。
上半身の筋力は否応にも必要になりますが、その分、適した骨盤の前傾・上半身の起こし方・肩甲骨と骨盤の連動ができていれば、結果として「フォアフット走法」になり、ムダのない走りになるでしょう。
このムダのない走りになると、故障をしずらくなるのでケガの予防にも繋がります。
フォアフット向けのシューズでフォアフット走法を身につけれるか?
結論から申し上げると、一時期流行った「ベアフットシューズ」は、数千円出してまで購入する価値はないなと当時感じていました。
筆者は広告業界にいたので強く感じていたのですが、いわゆる「ベアフットシューズブーム」もステマだったんですね。
もちろん、ベアフットシューズの恩恵で「速くなった」という方は腐るほどいます。
でも、ベアフットシューズに数千円出すならば、「土の上を裸足で走ってみたら?」と、貧乏性な筆者は強く感じていたわけです。
ただ、歩くときも走るときも、「なるべく前足部で着地する」ということを自然とするようには意識していましたよ。
特に、サンダルや薄底シューズを履いているときは、歩行時も走行時も、「つま先で歩く」ということを意識しました。
フォアフット向けのシューズらしいシューズは使用していませんでしたが、「ナイキフリー」などを普段履きで使用して地面の感触を感じつつも、上半身が垂れないよう(上半身は立てるよう)意識してウォーキングしていました。
なので、もし「フォアフット走法になるためのシューズって何?」ってきかれれば、「薄底のシューズだったら、何でもいいですよ」と答えるかもしれません。
フォアフット走法を自然と身に付けるコツ
自然とフォアフット走法を身につけるコツは下記6つです。
- 上半身は起こす(腹筋と背筋で支える)
- 肩甲骨と丹田(おヘソの下)が体を支える起点
- 骨盤だけを前傾させる(お腹に常に力を入れるトレーニングをする)
- 「着地する」というより「前に進む」という意識で
- 忍者走りを連想させる
- 臀筋(おしりの筋肉)で着地の衝撃を吸収する
骨盤だけ寝かせて、上半身は起こすというイメージから入ってみてはいかがでしょうか。
フォアフットでの着地が結果的に身につくと、「膝痛」で苦しむ可能性がかなり低下します。
骨格やフォームによっても変わってきますが、ヒールストライクだと、どうしても地面からの衝撃を足腰に大きく受けてしまいがちになります。
なので、できれば「自然なフォアフット」を身につけれれば、故障しにくくなるのでケガの予防に繋がるでしょう。
フォアフット走法でケガを防ぐために気をつけたいポイント
- 足の着地は体の真下になっているか?
フォアフット走法のまとめ
ちなみに筆者は、「完全なフォアフット」ではありません。
オーストラリアのランナー(名前失念)が、駅伝の際は「全く踵をつかない」というフォアフット走法で走っていたことを強く記憶していますが、筆者自身はかすかに踵は触れています。
そもそも、フォームそのものが「骨盤の位置・高さ」や、「上半身が長いか短いか」などでも違うわけです。
今回ご紹介した「フォアフット走法」に関しても、一つの意見としていただければ幸いです。