夏にランニングするときの注意点は?脱水症状と水中毒対策を忘れずに
ウォーキング・リハビリ三昧筆者です。一向に首がよくなりませんが、今後のランニングパフォーマンスが低下する確率が高くても、めげずに頑張っております。
ランニング愛好家の方は、「夏は休む」というランナーも多いでしょうが、それはもったいない。圧倒的にもったいないです。
夏はランニングのペースも落ちがちですが、それは心拍数がすぐに上がりやすいので当然の結果。しかも2017年は酷暑。
ただ、練習を継続すれば“練習効果”を得ることができやすいのも「夏のランニング」でおすすめなことなんです。
ジャンプできる目次
冬場のキロ4分=夏場のキロ4分15秒?ペースが落ちるのは普通
夏は歩くだけで汗が吹き出るもの。そんな夏に、修行僧のように「昼間に走る」と頑なに答えるランナーの方もいますが、酷暑の中のランニングは水分補給は絶対に……!
筆者も、数年前の夏に熱中症で倒れかけたことがあります。自分の体力を過信するのは、夏のランニングでは最も危険なことです。
また、ペースが落ちるのも仕方ない部分はありますよね。
例えば昨年の筆者であれば、体感ではキロ4分ぐらいに走っていたものの、実際はキロ4分15秒ぐらいで「ペースが落ちるのを防ぐので必死」という状況でした。
夏は心拍数が上がりやすく、また暑さで心拍数上昇が抑えられない状況なので、夏の暑さに弱い人はとにかく“ペースが落ちる”というのは仕方ないところ。
ただそれを活かして、夏のインターバルは“早めにさっと切り上げる”という練習内容でも、練習効果が抜群ですよね。
夏はひたすら「考えずに走る」のが走力向上につながる!?
暑くなると「走るのが億劫」という人も多いのではないでしょうか。
ただ、やはり夏こそ走ることをおすすめします。
まだまだ本調子じゃない筆者ですが、ウォーキングで肩甲骨を動かすだけでもスッキリ。ジョギングを本格的にできれば、どれだけ楽しいかと夢想しています。
夏は走るのが億劫になりがちですが、ランニングを続けるコツは「考えずに走る」ことなんです。無意識のうちに“走力向上”にもつながりますよ。
暑い夏だからこそ「ゆっくり惰性で走ってみる」
暑い夏に「ペース走」や「インターバル」、あるいは実業団のランナーであればこの時期に40km走で目標ラップで走るという目標を立てることが多いですよね。
ただ、ペース走やインターバル、ましてや暑い時期のロング走は“プレッシャー”が半端ないもの。中には40km走の前日に「プレッシャーで胃が痛い」なんてトップランナーの方もいるのでは?
それもそのはず、暑い夏には“気象条件”で思ったように走ることができないことが多いからなんです。
日本の夏は湿度が高く、息をするだけで苦しいなんて日もめずらしくないですよね。
そんな気象条件が続く日本の気候だからこそ、「なんとなく、毎日“惰性”で走ってみる」という日課を作るのも大事では?
距離にこだわらず、ペースにこだわらず、その日のコンディションのままに脚を繰り出す。
夏に走った後の爽快感は、入浴時や飲酒時に強く味わえるという人も多いですよね。
目標を立てすぎて失敗するのはNG!秋からの基盤づくりと考える
春のシーズンを終えても、息を入れることなく夏も“練習三昧”なランナーの方は尊敬します。
筆者は健康体であっても、そのようなことはできない保証しかありません。
特に暑さに弱いランナーほど、夏はランニングをサボって“自己嫌悪”に陥りがちです。ただ、ランニングは誰にも強制されることではありませんよね。
ランナーの人には筆者とは違い、「頑張り屋さん」が多いと言われます。
「毎月、●●km走らないと気が済まない」という人は珍しくありませんよね。ただ、あまりに肩肘を張りすぎて「目標」を達成できなくなると、練習すること自体に「罪悪感」を覚える人もいます。
あくまで夏の季節は“秋から冬への基盤づくり”として、「何も考えずに走る」ということを意識してみませんか?
まだ本調子には程遠い筆者ですが、秋から冬にかけての希望は捨てていません。外部要因のせいにはしたくない、という自分もいます。
そのためにも今は、首のリハビリや力の抜き方、そして肩甲骨を動かしたウォーキングなどを徹底しています。
一人の人間の健康体を戻したい、また、「ランナーとしての自分」を取り戻したい。
動機やきっかけは人それぞれ。ただ、夏は「ベース作り」を意識して、“何も考えずに走る”というのも練習の一環かもしれませんよ。
夏のランニングの走る距離は少なくてもいい?
夏はランニングのペースは落ちるものです。
また、走る距離を20km~30kmというのは、ファンランナーにとっては想像だにできないでしょう。
2016年は「ポケモンGO」ばかりしていた筆者も、夏は必ずといっていいほど走行距離が減ります。
ただ悲しいかな。太りやすい人ほど、夏もランニングをしなければなりませんよね。
では、夏は「走る距離」が少なくていいかというと、走り方によって左右されると言えるでしょう。
夏は心拍数上昇でペースが落ちる…だからこそ「質」を意識
もはや「亜熱帯ジャングル」と化した日本の夏に、ゆっくりとマイペースで20km以上を走るとなると、それ相応の対策が必要でしょう。
場合によっては「熱中症」にもなるので、あまり長距離を走らない人も多いのでは? 人によっては、「夏はオーバーホール。全く走らない」という人もいるでしょう。
夏は心拍数が上がりやすいのは、気温と体温の関係性がありますよね。
気温が高い分、体温を下げようとして発汗が起こりますよね。その分、血液を流そうと「心拍数」が上がることにより、体温調整と心拍数の関係でどうしても、心拍数が上がってしまうんです。
また、人間は暑いところでなかなか体が順応しないようになっているので、暑い夏は運動能力が落ちがち。
むしろそうした「心拍数が上がり」「心臓への負担」が増える季節だからこそ、練習効果は高いとも言えるでしょう。
夏はインターバル練習で心拍数を上げて「短い時間で鍛える」
夏のインターバルは、「底力アップ」には特に取り入れたい練習です。ロングインターバルが夏は苦手という方は、200m程度の坂道往復を続けるのも、心拍数がすぐに上がりやすいののでおすすめです。
夏の練習では「水分補給」はもちろんのこと、練習を「短い時間で終える」というのも一つの手段ですよね。
ゆっくり長くのLSDは脱水の危険もあるため、スピード強化と割り切って「インターバル」や「坂道ダッシュ」でサッと練習を終えるのも一つの手段です。
1000mのインターバルであれば、冬に3分30秒でレスト200mを5本回すひとであれば、無理せず下記のメニューでもいいでしょう。
- 3分40秒×4本(レスト100m)
- 3分50秒×6本(レスト200m or 60秒)
サブ4を目指しているランナーであれば、坂道ダッシュ10本(200m)もおすすめです。
- 坂道ダッシュ200m登り(60秒切る/勾配次第)・200m下りレストを10本
- 坂道ランニング200m登り&下りを15~20往復ゆっくり
熱い夏だからこそ、決まった部分で練習をするのは「水分補給」ができるのも利点。
長距離大好きな方も、夏は「短く・速く」がおすすめです。
夏に心拍数を上げた練習をするのは「高地効果」に近い?
東京なんかは「ビルの反射熱」で歩くだけで汗がダラダラという環境。
とは言え、地方も現代では「亜熱帯ジャングル状態」で、日中は歩くだけでも息をするのが辛いような環境です。
なので、夏のランニングは「早朝 or 夕暮れ後」にした方が健康面のリスクは減らすことができるでしょう。
ただ、早朝や夜間でもなかなかペースが上がらず、走る距離も減ってしまいがちなのが夏。
そんなときだからこそ、「高地トレーニング効果」だと思って、心拍数を上げる練習をしてみてはいかがでしょう?
高地とは、低圧、低酸素、低温の環境のことで、効果的な標高は1500~3000mとされています。高地では酸素濃度が薄いため人間の体は酸素を取り込みにくくなり、血中の酸素濃度が低下します。体は環境に適応した酸素濃度を確保するために、体内で赤血球数やヘモグロビン濃度を増加させます。この体の適応能力を活かして結果につなげることを目的としています。
夏のランニングも、ほぼ「低酸素」に近い練習効果が得られるはずです。
世界陸上2017の女子マラソンの解説では、あの高橋尚子さんと野口みずきさんも「泥臭い練習が大事」と語っていましたよね。
夏とはいえど、記録を目指すランナーは「距離」はともかく「ペース」で追い込むことが大事かもしれませんよ。
夏のランニングは距離が少なくてもいい!習慣化が大切
うだるような暑さは夜間まで続くので、ついついランニングをサボってしまうというランナーも多いでしょう。
ただそういったランナーほど「10km走らなきゃいけない」だとか「1時間走らなければいけない」などの一種の“強迫観念”にかられているものです。
別に誰にも強要されるわけではないランニング。サボるぐらいなら、10km以下でもいいので「夏にはつらいペース」で走ってみませんか?
距離は後からついてくるもので、毎日、少しでも走り続ければ200km~300kmの月間走行距離が“結果として”ついてきます。
もちろん、体調面や気温の考慮は大切ですが、暑いからこそ「ベースアップのチャンス」と思うランナーほど、秋以降の記録につながるでしょう。
冬のマラソンシーズンは「脚作り」のために否応なしに「走る距離」を求められるものです。
ただし、夏は別の視点を設けてもいいでしょう。
「夏の暑さは、“高地効果”すらある修行!」と言い聞かせ、つらいペースの短い距離で「心肺機能」を上げる練習をおすすめします。
脱水症状と水中毒対策を忘れずに
日本の夏は湿度が高く、40度を超える地域もあり、ランニングをするには不向きな気候だと言えます。
実際、筆者が夕方にジョギングをしていても、マラソンシーズンと比較するとロードは“閑古鳥が鳴いている”という状態です(皆さん、朝に走っているのかもしれませんが…)。
「夏のランニングはバテる!」
とは言え、走ることが好き・ダイエット継続したい・秋と冬のマラソンで好走するには、夏のジョギングは大切です。
ただ気をつけたいのが、脱水症状と水中毒。
相反するような関係で、脱水症状対策のつもりが水中毒になってしまったという経験をしている人もいるので、夏のランニングのバテ対策と合わせて対策を事前に知っておきましょう。
夏のランニングでバテるのは当然!強さと速さを両方培うのは難しい
夏のランニングでバテるのは当然で、誰しもがペースが落ちるものです。
とは言え、ランナーは「真面目な人」が多いのも事実で、特にサブスリーランナーとなれば月間200kmから300kmは夏でもクリアする人が多いようです。
ただ、どうしても暑さには逆らえません。
冬は得意な筆者も、10kmキロ4分30秒台でも“暑さにやられる”ぐらいの疲労度を感じるので、短い距離でも“満足度”を得てしまうというジレンマはあります(健康志向ならそれでいいのでしょうが…)。
なので、夏のランニングでは効率的に「強さ」と「速さ」の両方を磨き上げるのは至難の業。
暑さに対して「強い・弱い」も個人差があり、特に筆者のように“発汗量が凄まじく多い”というランナーほど、夏はバテやすいのも特徴です。
バテる夏に陥る「脱水症状」の危険性と「水中毒」との相反性
ランニングでバテやすい夏。確かに練習効果が“高い”と負荷をかけやすくなる季節ではあるものの、よほどのタフな人以外は冬と同等の練習内容をこなすのは難しいでしょう。
特に怖いのが脱水症状で、発汗量の多いランナーは水分を2~3リットル/日に飲むのが良いと言われています。
ただし経験則も含めると、夏の練習のために水を飲みすぎるのは「水中毒」の危険性を高めてしまうという、相反するようなリスクがあるものです。
水中毒は「低ナトリウム血症」といわれ、血中の塩分濃度が下がってしまうことで、最悪の場合は「死」すらありえるのが怖いところです。
ランナーが水中毒になることで多いのが……
- 手足のしびれ
- ろれつが回らない
- 呼吸が荒くなる
- 体に力が入らなくなる
- 意識を失う
といった症状がありますが、脱水症状の症状と似ていることから、ランニングの練習中に「水を飲みすぎる」ということが起こってしまうんです。
低ナトリウム血症を防ぐには、水よりもスポーツドリンクを飲むことが推奨されますが、とは言っても“飲み過ぎ”による水中毒のリスクはゼロになるわけではありません。
「脱水症状に気をつけるために水をがぶ飲みしすぎた結果、練習中に手足のしびれ・痙攣が起こった」
というのは、ランナーあるあるの健康被害です。
水中毒は一度に大量の水分を摂取する事などで生じる病気で、体の様々な場所に不調をきたしてしまい、最悪の場合、死に至ります。
“暑いから”という理由で、水やスポーツドリンクをがぶ飲みすることで起こりやすい症状の一つ。
筆者も秋の気温の高いレースで経験があるのですが、「飲んでも飲んでも渇きがいえない」というのがこの状態ともいえます。
しっかりスポーツドリンクを飲んでいるのに、なぜか喉の渇きが止まない。しかも走るのが辛い。
こういった症状は、立派な熱中症の一種です。10月から12月のレースに起こりやすい症状ですが、そのまま無理をすると最悪、意識朦朧となることもあるので甘く考えると危険です。
またこの症状、フルマラソンだと“足が攣りやすい”などの症状も出やすいんです。「低張性脱水」も甘く見ると“危険”が待っています。
夏のランニングでバテることを考慮して「質と量」を分ける意識を
「脱水症状・水中毒」にスポットを当てれば、夏は低強度の練習を毎日こなすことを過去には勧めてきました。
ただ、意識の高いランナーは「質・量」を、バテやすい夏のランニングでも求めがちです。
筆者の周囲で「質・量」両方を求めて練習している方の多くは、質と量を分けて「ON・OFF」のスイッチを使い分けていることが多いです。
- 月曜日:朝ジョグ5km / 夜ジョグ5km
- 火曜日:朝 or 夜に10~15kmジョグ
- 水曜日:朝に2kmペースラン / 夜に5kmタイムトライアル(1回か2回)
- 木曜日:疲労抜きジョグ or レスト
- 金曜日:通勤ジョグ・帰宅ジョグ(飲み会のときは早朝に1時間ジョグ)
- 土曜日:10km走×2(朝と夜に分けるパターンも)
- 日曜日:5kmのタイムトライアルを2回(まとまって or 一日二回)
バテることを考慮して、距離を短めにして「二部練」をしているのが特徴のようです。
これはもう少し低強度にしても応用でき、筆者の場合は朝の体調次第で練習の強度を変更することが多いです。
あるいは、走り始めに「暑いけど、今日は足が軽い」と感じたときには、少し走る時間を伸ばす・ペースを上げるなどの臨機応変さを利用することもあります。
もちろん、脱水症状・水中毒対策はばっちりで、10km走るときは天然水が湧く公園を中間地点に入れる・小銭を持っていつでも自販機でドリンクを購入できるということには気をつけていますよ。
パフォーマンスが下がりやすい夏だからこそ、しっかりと“質と量の小分け”を意識してみてください。
Twitterを見ていても、真面目なランナーほど「夏でも300km走行を!」と意気込んでいる人が多いです。
日頃から走ることが好きで、上昇志向の強いランナーほど「暑さを利用してモチベーションをむしろ上げる」という人が多いですが、注意したいのは健康被害。脱水症状と水中毒は、夏のランニングでは常に頭に入れておきたいですよね。
あるいは紹介した、「練習強度の小分け」を意識して、マンネリにならない練習メニューを組み立てて夏を乗り切るというのも、一つの醍醐味だと言えるでしょう。
夏のランニングの熱中症の怖さ
夏はあつすぎるので「ランニングに行くのも億劫」と、練習をサボリ気味な人も多いかもしれません。
あるいは、慣れない早起きに取り組み、朝練に取り組んでいる熱心なランナーの方も多いのでは?
筆者の場合、過去はとにかく朝起きることができませんでしたので、休日は夏でも昼間に走る、夕方に走るということが多かったのですが、これはもちろん「熱中症」の危険性をはらんでいます。
ランナーの中には、あえて水分補給をしない練習方法を取り入れている方もいますが、我々市民ランナーの場合は「熱中症」と「夏のランニング」の危険性は熟知しておくに越したことはないでしょう。
また、高校球児が暴れる夏、「根性論」はランニングの練習に活かせるのでしょうか?
夏のジョギングでの「熱中症」は遅れてやってくる
ランナーの方の多くが、ご自身の「体力」に自信がある方が多いのでは?
確かに日頃からランニングを嗜んでいると、ちょっとのことでは疲れにくいと言いますもんね。ただ、夏は例外。
「スタミナモンスター」でも夏の熱中症で倒れるなんてことも、場合によってはありえることです。
特に、夏の真っ昼間からLSDをしているような方は「熱中症」の危険性が最も怖いタイプ。走っていると、「どうってことない」と思いがちなのが、走っていると風が吹いて体感的には“それほど暑くない”と感じてしまうからなんです。
気付いたときには、体内から水分が欠乏していて、持っている小銭を自販機に入れようとして朦朧としていたなんて経験をしたランナーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ランニングをしていて熱中症になる例が多いのが、「体内から“水分”が多く失われた状態」なのは、汗となって水分が出やすいということに他なりませんよね。
これ、走っているときは自覚がなくても、遅れて「フラフラする」という状態がくるので要注意です。
いわゆる「高張性脱水」がこれにあたるのですが、夏のマラソンレースなどを控えている方は、別の脱水症状や熱中症にも気をつけた方がいいこともあります。
高校球児の「根性論」は危険!? 等張性脱水は死の危険も
「等張性脱水」は、体内の水分と電解質が同時に枯渇している状況です。よく、マウンドにいるピッチャーが足を攣っている状況は、この「等張性脱水」の危険性もあるんです。
昔は高校球児といえば「水も飲むな!!」といった誤指導がありましたが、もちろん今では「電解質」と「水分」を同時に摂取するよう、練習時も試合時にも気をつけているはずです。
「等張性脱水」は場合によっては輸血が必要な場合もあり、命の危険性すら危ぶまれるので要注意です。
今時の高校球児は、ベンチでウイダー+アクエリアスは当然の処置。
「わしは、夏でも無補給で30km走ることができる!」という方は、どうか救急車で搬送される前に正しい水分補給を心がけてくださいね。
夏のランニングでは「地足」がつきやすく、なおかつ耐熱性がつくことで日頃の健康効果も高まります。ただし、“やりすぎ”には要注意。
トップランナーはこの季節に「40km走」を敢行したりしますが、あくまで我々は市民ランナー。
天国への階段を疾走することがないよう、夏のランニングでの熱中症には気を配って下さいね。
夏のランニング練習には「心拍数」を重視するとよい
6月から7月になると、ランニング中にも暑さを感じやすくなります。
日頃、GPSで「ランニングペース」を気にする人は多いでしょうが、「心拍数」を重視した練習をしている人は前者より少ないのではないでしょうか。
ビギナーランナーほど「ペース」にとらわれがちですが、夏はやはり「心拍数」に着目したいところです。
ペースと心拍数の関係を体感でつかむことができれば、冬のマラソンでもオーバーペースにならないなどの利点もあるので、ぜひ今回紹介する「心拍数の確認の重視」を参考にしてみてください。
夏はペースが落ちるのが当たり前!ペースより心拍数の確認を
夏は心拍数が上がりやすく、しかも冬のように体が冷えないので心拍数が上がりっぱなしですし、練習もきつく感じます。
当然のことと言えば当然なのですが、これが原因でペースが上がりにくい練習が続き、しかも暑さも相成って“バテやすい”状態が続きますよね。
なので、冬の練習時のペースを崩さず「自分はキロ4分を割りたくない」という練習を続ければ、当たり前ですが走行距離も短くなります。
ペースを上げれば上げるほど「心臓ポンプが強くなる」という利点はありますが、「冬のペースを維持できずに情けない……」と肩を落とす真面目なランナーがいるのも事実です。
スピードランナーほど「ペースの維持」にこだわりたくなるものですが、もし自分自身のモチベーションの指標が「ペース」で夏の練習が嫌いならば、ぜひ「心拍数」を主軸に切り替えたほうがいいでしょう。
心拍数にこだわれば「夏の練習」の指標が分かりやすくなる
ペース維持をこだわるのもトップ選手であれば当然ですが、夏の練習はとにかくバテやすいのは当然です。
冬のマラソン時、よくオーバーペースで失敗するランナーは多いでしょうが、これは自身の心拍数を体感で把握できていないことが多いからです。
「時計に踊らされる」という言葉がランナー間でありますが、これは自身の当日の心拍数と目標ペースの大幅な乖離から起こることですよね。
ですので、夏にはしっかりと「心拍数とペースの因果関係」を体に結びつける練習が、後々のマラソンシーズンに活きてくるはずです。
どうしても真面目な人が多いランナーなので、夏でも……
- 走行距離
- ペース
- 周囲との比較
この3つで悩む人は多いのですが、実際は「自分の適正ペースをつかむための練習」がより大事になる季節と言えるでしょう。
例えば、夏はジョギングペースでも心拍数が上がりやすく、ポイント練習なのか有酸素運動能力のキープなのか、あるいは疲労抜きジョグなのかの区別がつきにくくなります。
それは「ペース」だけを重視したランナーほど顕著に表れやすいと言えます。
でも「心拍数」さえ重視していれば、自分の体感ペース・心拍数の上がり方・疲労強度を混合しての“その日の練習強度”を見つめ直すことができる利点があるんです。
心拍数を練習の指標に追加することで、「夏は疲れやすいし、ペースも上がりにくいから練習したくない」というモチベーション低下も防ぐことができるはずです。
心拍数の上がり方で「ジョギングのリズム」をつけることも可能
今どきはGPS時計にも心拍計がついているものが多いので、あまり意識せずとも「ランニング強度&心拍数」を紐付けることができるのがありがたいですよね。
ランニング・マラソンで「自分の適正ペース」を維持できるかどうかは、ずばりペース維持のための「リズム」と「運動強度」にあります。
もちろん人によってのVO2MAX(最大酸素摂取量)は違いますので、心拍数の上がり方と運動強度・ジョギングリズムは自分自身で身につけていく必要があります。
ジョギングのリズムとは、ずばり「距離に対しての適正ペース」を自分自身でつかむことです。
駅伝の5kmのリズムと、42.195kmのフルマラソンのリズムが違うのは当然ですよね。
夏、心拍数の上がり方と“きつさ”の運動強度の把握、それに追加して「ピッチ数・リズム」を意識できるジョギングができれば、冬のフルマラソンや駅伝でも“自分自身の100%の力量”を出しやすくなるわけです。
夏の練習の指標の一つに「心拍数」を重視するのは、効率の良さを考えればぜひおすすめしたいところです。
夏はどうしても「バテやすい」ということと「走ると疲れやすい」ということから、練習量が落ちやすいです。
練習量が落ちることから、「毎日決まった距離を走るのは辛い」と真面目な人ほど“練習に対してのモチベーション”が落ちやすいのも特徴です。
「心拍数」というのは最大酸素摂取量と合わせて、効率よく練習するための便利な指標です。
また、夏は練習後のお酒が美味しい季節。アイスクリームも美味しいですよね。
アフターバーン効果とも言って、夏の練習後は脂肪燃焼効果も長続きするもの。
暑さを利用して、ぜひ秋から冬のマラソンの快走に結びつけてください。
夏のランニングまとめ
夏は練習嫌いの人には「長い距離をこなす」というのが難しいものです。
だからこそ、「短く・速く」で別のアプローチもおすすめなんです。
暑い夏、甲子園球場顔負けの気合を見せつつ、脱水症状や熱中症には気をつけて練習を頑張って見てくださいね。
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