ランニングの30km走とは?効果的な走り方とペース配分
フルマラソンシーズンに突入し、否応なく「ロング走」を迫られる時期になってきましたね。
フルマラソンでPBを更新する、楽に走る、目標通りのタイムやペースで走るといったことを考えると、ロング走、特に30km走は切っても切れない練習。
効果的な練習での走り方やペース配分はどうすればいいんでしょうか?
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30km走の効果的な練習 – メンタル面
筆者も昔、いや今でもそうなんですが、“30km走をする”となると、どこか緊張感を持つもの。
「想定通りのペース配分ができなければどうしよう」とか、「途中で足が攣ってしまえば……」といったことは、あまり日ごろ30km走をする機会のないランナーなら頭をよぎることも多いのではないでしょうか。
筆者は昔、“30km走をするために、当日までに調整をする”といったことをしていましたが、うまくいったときはいいものの、思うように走れなかった時の不安な気持ちや焦燥感は、マラソン前なら特につらいもの。
メンタル面では、あくまで「30km走は練習」と割り切って、楽しく走ることが大事だというのが個人的な思いです。
うまく走れた場合はしっかりそのイメージを持ってモチベーションを上げて、失敗した場合は「練習だから、本番では何とかなる」といった気持ちを持つことが大事。
ただ、30km走でのフィードバックは、きちんとしておいてくださいね。
ペースはどうする?30km走ではGPS時計の魔力に注意
ペース配分ばかり考えがちなのが30km走。
「なんとかサブ3.5をするために、キロ5分を常に切って30kmを走る!」だとか、「サブ3のために、キロ4分10秒は常にキープしたい」というのは、多くのランナーが走っているときに目標にするもの。
ただあえてペース配分について触れるならば、ペース配分よりも体のリズムを重視した方がいいということです。
もちろん、ある程度のペース配分や目標LAPは頭に入れておくべきなんですが、常にGPS時計に操られるようでは、ペースもリズムもガタガタになってしまいます。
どんなコースで30km走をするかにもよるんですが、少しの起伏や風、気象コンディション、あるいはその日の体調でペースなんて大きく変わってしまいます。
大事なのは、目標のLAPから逆算して、走っているリズムとペース感覚とのズレを確認して、走りを修正していくということ。
また、最後の5kmまではペースは抑えめに行くことが大事です。
ちなみに筆者はスタミナがないので、28kmまでは抑えるように気をつけています。
最後は鬼の形相で、目もひん剥いていますけど……。
効果大!30km走をしているときより30kmの後の過ごし方が大事!
いかに30km走をうまく走れたかといったことも大事なんですが、走った後の過ごし方や翌日のトレーニングが大事だともいえますよね。
- 30km走の後はダウンジョグは長めに(余力がある人は30km走+10kmジョグが定番のよう)
- 30km走の後はすぐに栄養ゼリーなどで補給を(リカバリーを早める)
- 休日で余裕があれば、すぐに入浴(リカバリーを早める)
- 翌日はダメージ具合によって、ジョグ or 10kmペース走 or LSDで足を作る(持久力アップの相乗効果)
もちろん、30kmを行った後のダメージは、普段の練習内容や走歴によって変わってくるものです。
練習をしすぎて故障はしないでくださいね。
また、何より30km走で大事なのが「適正なフォームで楽に走ることができているかを確認する」ということ。これは「ペース配分」よりも大事なことですよ。
真夏の30km走は効果が高いのか?
お盆休みのスタートに、某・先生と30km走をした筆者です。
コースは起伏も入れて、高度上昇は250mに近い30kmのコース。
7時にスタートした30km走ですが、35kmぐらい感じました。
「夏に負荷をかけるのは、特に意味はない」ということは科学的に分かっているものですが、理論武装を跳ね返すこともできるのがマラソンの醍醐味。
夏のロング走、かなりの効果があると感じられる理由を説明していきます!
夏の30km走に挑んだ理由
そもそも筆者は長い時間走るのが苦手です。
ただし、フルマラソンというのは“努力が結果に出るスポーツ”の代表格ともいえるほど、練習での成果が本番に出やすいわけです。
もちろん他の競技にも“努力要素”は基礎的なベースとしてあって当たり前なのですが、マラソンや駅伝は「センス」以上に「努力」の振り幅が大きい競技です。
いくらハーフマラソンが速くても、10km、5km、1.5km、2ラップ、そしてスプリント戦に秀でていても、フルマラソンで必ず好走できないのがフルマラソンのいいところ。つまり、努力次第で天才肌に打ち勝つことができる競技ともいえますよ。
競技は違えど、「ゴルフ」に似ているのがマラソン。センスありきと思われがちなゴルフですが、実は何百球、何千球、何万球と打ち込んで、ようやく自分のスイングの形を身につけていくことは、ランニングでフォームを固めるのに似た感覚を覚えます。
昭和の時代をスポーツで活躍された方はめずらしくない「根性論」。
筆者の大の苦手の「根性論」ですが、要は夏に長距離をするということは、メンタル強化の側面も強いわけなんです。マラソンというのは、30km以降にいかに自分のメンタルに打ち勝つかが勝負の分かれ目になることも多々です。
ラッキーパンチがないマラソンのタイムアップには、「真夏の30km走」は“練習効果”よりも得られる「根性」が身につくはずです。
真夏のロング走での注意点
ただ、いくら根性でメンタルを鍛えるため、また真夏に脚をしっかりと作りたいとはいえど、真夏の3okmを超えるロング走にはリスキーな面もありますね。
脱水症状
夏に運動をしていると、暑さに強くなる“耐熱効果”が身につきます。筆者も過去ほど、練習中に水分を摂らずとも平気な体質になりました。
ただ、これは実はかなり危険な行為でもあります。
夏に外を歩くだけでもふつうではない気温なので、昼間に外を走るというのはある意味“自殺行為”ともいえます。
ボトルポーチをつけるなど、水分補給は必須です。
水中毒
「夏は暑いから水分補給をしっかり」というのは、今の高校野球ではあたりまえですね。一昔前は、「うさぎ跳び」やら「練習中は水は飲まない」とありましたが、今やこの「根性論」も鼻で笑われる時代。
ただし、練習中に水を飲み過ぎると、いわゆる「水中毒症状」になりやすいんです。
仕組みは「ググってくださいね」と言いたいところですが、一言でいえば死の可能性もある症状です。
発汗により水を大量に摂取すると、摂取した分の水の量が上回ってしまい、体内のナトリウムが低下して血中の塩分が低下する、この症状。ひどいときには、そのまま昏睡状態になることもありえます。
またランナーの場合は、そのまま熱中症と合併して、めまいや頭痛が続くこともあるので注意。その際、脚も痙攣しやすくなります。
昭和に、「練習中の水分補給は禁止な!」と言っていたのは、あながち“大きな間違い”ではないわけですね。
熱中症
上記2つを挙げたので“言わずもがな”でしょうが、「熱中症」が真夏のロング走で一番危険なことです。
筆者も調子に乗って10km走でキロ3分台ギリギリをキープしたとき、暑さや呼吸困難で倒れかけたことが何回かあります。
10kmまでなどであれば夏は“適距離”ともいえそうですが、ロング走は熱中症の危険性も高まります。
スタート時間を早朝にしたり、ペースを落とすなどの工夫は大前提といえますね。
こうした症状を防ぐには、ほどよい水分補給と栄養補給、また飴などで塩分をしっかり補給するのも大事です。
命を落としても惜しくないならまだしも、命を削ってまで真夏にロング走をしなければならないということはありません。
夏のロング走での効果はない?
結論から言うと、トップアスリートや暑さに慣れているランナーを除けば、ロング走の定義を“距離”から“時間”に変えるべきでしょう。
そうすると間違いなく、効果は高まります。
冬は自分の目標ペースで距離を踏めますが、夏はどうしてもペースも落ちてしまいます。どんなトップランナーでもそうではないでしょうか?
そういった際、無理に距離とペースを目標に掲げると、ペースはガタ落ち、最悪の場合は体調不良にも陥るリスクも高いわけです。
そのリスクを軽減させ、夏でも脚を作りたい場合は“走る時間”にこだわるほうがいいでしょう。
たとえば2時間走や3時間走で、“長い時間走れる体づくり”を目標にすると、秋以降に故障しにくくなったり、走りのベースができあがりますよね。
無理は禁物ですが、夏のロング走で“効果はない”とうことはなく、定量的評価を「距離」から「時間」に変えることができれば、ランニング後の自己満足度も高まるはずですよ。
いかにモチベーションを保つかも夏の練習では大事なことですから、“走る時間が長ければ長いほど効果が高い”などで、あえてペースを落として走ることに抵抗感をなくすことも、真夏のロング走で“効果がある練習”といえます。
2年前は後半の橋で「脱水症状」で全身が痙攣した筆者ですが、夏の練習でそのトラウマを払しょくするのも、一つの「メンタル強化」ともいえそうです。
ただ、真夏の練習はもちろん、無理は禁物。
筆者のように、“涼しいところでアイスクリームを頬張り続けること”に寛容になることも大事ですよ。
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