ランニングで楽に走るための骨盤を立たせるランニングフォーム
肥満が止まらない筆者です。自ら曰く「プロレスラー体型」の筆者なので、まるでランニングやマラソンに携わっている体型だとは思えません。
とは言えこの数年、練習量が落ちたとは言え「故障知らずのランニング」ができているのは、骨盤を意識した走りができているからだと自負しています。
実を言うと、フルマラソンでも「30km以降の失速」が癖づいていたときは、腰が落ちたフォームが当たり前だったのも筆者です。
最近では「骨盤」を意識したランニングを繰り返しているせいか、大きな失速や故障はありません。
ただ、初級者ランナーからすれば「骨盤を立たせる」という意識を持つことすら難しいでしょう。
そこで今回は、いかに骨盤を立たせて走ることが重要で、故障につながりにくいかをご紹介しています。
ジャンプできる目次
初級者ランナーに多い!骨盤が後傾して「腰が落ちるフォーム」
上の情けない姿勢を見てもられば”一目瞭然”なのですが、いわゆるこれが「腰が落ちたフォーム」&「骨盤が後傾したフォーム」です。
筆者のように、腹筋や背筋といった「体幹」が弱いランナーほどマラソンの後半でこのような姿勢になることが多く、自分の写真を見直すたびに「かっこわるいなぁ」と自分の姿に嫌悪感を覚える人は多いでしょう。
ただ実際には、ビギナーランナーの多くは上記のような「骨盤の後傾」「猫背」といったフォームになり、結果的に「腰から下の足への大きな負担」をかけがちです。
マラソンの後半に「足が上がりにくい」「ふくらはぎが攣りやすい」という人の多くが、骨盤が後傾し、猫背になった姿勢になっているものです。
骨盤を立たせる意識が強すぎて「反り腰」になってしまうランニングフォーム
骨盤を立たせるランニングフォームを意識しながら”実は誤ったフォーム”になりやすいのが、反り腰になってしまうランニングフォームです。
上記の写真を見てもらえれば一目瞭然ですが、骨盤が後傾しているにもかかわらず、背筋だけ真っ直ぐにしようとしている意識が強く感じられます。
「姿勢を良くして走る」「美しいフォームで走る」ということを目指すランナーも多いでしょうが、背筋だけまっすぐで、実は骨盤をしっかりと立てることができていない…というランナーも多いものです。
その結果、背筋に対して無駄な負担をかけ、腰が痛くなるランナーは多いものです。
自然な姿勢=「骨盤を立たせるランニングフォーム」
またまた「メタボランナー」の姿で恐縮ですが、骨盤が立っている=自然に上半身を下半身で支えている姿というのが、ランニングフォームでは理想です。
クソコラで恐縮ですが、先日、筆者がラスト100mで走った姿がこちら。
クソコラはともかく、きちんと骨盤が立ち、前方に推進力を得ようとしている姿は分かるでしょうか?(顎はもう少し引いたほうがいいですねw)
実は「骨盤を立たせる」というランニングフォーム、昔、故障しがちな筆者は意識が持てませんでした。
そもそもなぜ「骨盤を立たせる」=「ランニングフォームで大切」なのかは……
- 上半身で着地衝撃を吸収できる
- 着地時に「前進運動」のエネルギーが強くなり、足への負担が減る
- 骨盤を立たせることで、上半身の無駄な力が抜ける
- 上半身の無駄な力が抜けることで、前進運動に必要な力の抜けた腕振りができる
- 上肢・下肢ともに負担が減る=上半身で衝撃を受けることが可能
といったところ。
「鳩胸でランナー体型じゃない君に言われても……」
そう思う方もいるでしょうが、実際、骨盤を立たせて走る意識を持つことで、間違いなく故障リスクは軽減しています。
逆に、上半身や骨盤への意識がなさすぎることは、故障やパフォーマンス低下を招きがちです。
「骨盤とランニングフォーム」といってもしっくりこない人も多いでしょうが、デスクワークの人なら「背もたれに頼らず、骨盤を前傾させて姿勢を保つ姿」=「理想的なランニングフォーム」とも言えるのです。
骨盤を正しい位置に戻してランニング
ランニングでいかに“速く走ることができるか”は才能や練習量に依存しがちですが、もちろんフォーム適正化も有効な手段ですね。
特に、ある一定のレベルで停滞しているランナーこそ、正しい骨盤の位置を知ってランニングをしてほしいです。
とはいえ、筆者も骨盤への意識が薄い状況だったので、今も試行錯誤。
正しい骨盤の位置を知り、推進力をより増してみませんか?
アフリカ人だから…というのは幻想!日本人も骨盤適正化は可能
アフリカ人のランナーに多いのが、“骨盤は前傾していても、上体はきちんとまっすぐ立っている”というフォームですよね。
最近のトップランナーを見ると、フォームがアフリカ人の意識に近いのが川内優輝選手です。
上体はブレずにまっすぐ伸びているにも関わらず、お尻が上がった“骨盤の前傾”が特に目立つランナーが川内優輝選手。
先日の福岡国際マラソンのように“型にはまったとき”は、フォームも一定で見ていても気持ちがいいです。
よくある言葉が、「日本人はアフリカ人と骨格が違うから、単純に骨盤を前傾させても意味がない」ということ。
確かに、自分の骨格に沿ったフォームは十人十色。「一つの答え」はありえません。
ただ、“自分なりの骨格”に合わせて、骨盤の位置や、腹筋のインナーマッスルへの意識、そして上体がいかに起きていて腕振りと連動できているかは、練習量がトップランナーと比較すると少ない市民ランナーこそ意識すべきポイントなんです。
正しい骨盤の位置は「意識」と「腹筋」で変えることができる
いかに骨盤を前傾させるかは、日頃の姿勢で大きく変化させることができます。
たとえば猫背だと、骨盤も後傾しがち。なので、腹筋のインナーマッスルを使い、骨盤を“ヒップアップする感覚”で常に保つことが大事なんです。
- 腹筋は「腹直筋」よりも「腹横筋」のインナーマッスルを意識
- 呼吸筋と腹横筋を連動させる
- 骨盤を立たせるには「腹横筋」と「背筋の柔らかさ」が重要
- ジョグでヒップアップしつつ、腹筋で上体を固定する意識を
筆者もこれは修行中なのですが、腹筋のインナーマッスルに意識を起き、骨盤の位置を自然な前傾にすることは“脚への負担”を大きく軽減できます。
フルマラソンを走るのであれば、省エネ走法が一番ですよね。
骨盤の正しい位置ってどこ?
では、“正しい骨盤の位置”はどこなのか?
結論から言うと、これは個人差があります。たとえばあまりに骨盤を前傾させすぎて、腰痛を起こしてしまえばそれは“正しい骨盤の位置”で走ることができていないということです。
もちろん、“骨盤が後傾している”という状態であれば、脚へダイレクトにダメージがきます。つまり、フルマラソンでよくある「30kmの壁」や「35kmの壁」にブチ当たる可能性が高まるということです。
「正しい骨盤の位置」
これは人それぞれ、骨格によって変わってきます。ただ、トレーニング次第で改善はできます。
やみくもに腹筋運動をするよりも、いかに腹横筋などのインナーマッスルを有効に使え、背筋を柔らかく使えるということが「省エネ走法」といえるでしょう。
普段、練習のしすぎで故障しているランナーにとっては、特に取り組んでいただきたのが、「骨盤の位置」と「腹筋(インナーマッスル)」への意識。
実は最近、ピラティスを習う機会があり、まざまざとその効果を感じています。
「練習量」も大事ですが、「普段のジョグの意識」もしっかり変えたいですね。
骨盤を立たせるランニングフォームまとめ
今回は「自戒」の意味も込めた内容ですが、日頃の生活で「骨盤を立たせることを意識させる」というのは、健康上にも良いことです。
将来的な脚への負担低下や、歩く姿勢の美しさにもつながり、何も”ランニングフォームだけ”が骨盤を立たせることの重要さではありません。
マラソンの後半に「脚を残す」というのは、いわば、いかに上半身でエネルギーを吸収できるかどうかにもかかっています。
そのためには「骨盤を立たせる」ということも意識して、日頃のジョギングを意識してみてくださいね。