ランニングで怪我を防止するコツは?怪我中のトレーニング方法まとめ
「調子がいいときほど、ランナーは怪我しやすい」
そんな言葉を聞いたことがあるランナーも多いのではないでしょうか。あるいは実際に、調子がいいときに故障をしてしまった……というランナーも多いはずです。
シンプルに考えれば「調子がいいときほどスピード任せになりやすい」といった原因も考えられますが、他にも要因がないか……再考することこそ、長寿ランナーへの道がひらけます。
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練習が満足にできない…怪我で悩む状況になって分かること
1月5日の交通事故以来、首の歪みや身体症状があり、満足に練習できないままの日々が続く筆者です。
加害者側もなぜか弁護士を雇うという意味不明な状況になり、よりストレスがたまってしかたないのです。
「走る」って本当にストレス解消になりますし、血行が良くなることで首のリハビリにも最適。
ただ、“走ることの快楽”が日常生活の「当たり前」だと思っていると、きっと走れなくなったら“絶望”するんではないでしょうか。
首や脚が痛くても…練習依存だったランナー
筆者の場合は、診療医のもとに「ランニングによるリハビリ」を続けてきました。
ただ、首には良くても、足には悪かったようです。
練習では「ロキソニン効果」でごまかせても、思い出したくない2017/2/12のアクシデント。
吐き気と足首痛に襲われ、17kmで体勢がすでに崩れる。
30kmは痛みに耐えて、棄権できる場所を探しながら歩行。
「こんなはずじゃなかった」
事故にあった悔しさと、自分が満足に走れない無力感で歩いていたら、低体温症に……。35kmで棄権を申し出るも、冗談だと思われてその後も歩いたことは、いつか“いい思い出”になるんでしょうか。
2016年はあれだけ楽しみにしていた「愛媛マラソン」という存在自体が、自分の中で「悪夢」になる日だとは思いもしませんでした。
交通事故全てがアクシデントではない!走る喜びを
幸いにも筆者は、ゆっくりのジョギングであれば、むしろ首のリハビリにもなると医師のお墨付き。
ただ、あれだけ楽しみにしていた「フルマラソン」と、「駅伝」を全力で走る機会が2017年にはなく、ただただ失意の日々。
交通事故加害者が“なぜか弁護士依頼をする”という、加害者側が損しかない状況になっても、決して同情できる心の余裕はありません。
でも、自分はまだ“走る”ということが可能です。
想像したら、交通事故で足を失った人、腕が折れた人、そもそも“生命の危機”すらあった人、そういう人たちのことを考えると、自分はまだ幸せなんだと思います。
リハビリを続けた先に、また「記録」に挑戦できる日がくると信じて、自分はリハビリを続けます。
もし交通事故で“満足に走れない”という状況になった人は、決して筆者だけではないでしょう。
そもそも、競技自体からドロップアウトした方もいるはずです。
そうした人の心情を理解できて、“走れること”に対して幸せを噛みしめることができることを生きがいに、また来年には満足な状態でマラソンが走れるように頑張りたい所存なのであります。
調子のいいときほど「練習強度」を上げすぎていませんか?
「最近、レースでの成績がいい」
「タイムが上がってきて、走るのが楽しすぎる」
こういった場合、達成感や喜びで“走ることに対しての喜び”が強く出がちです。これがアドレナリンの分泌にもつながり、走ること自体が楽しくて楽しくて仕方がないといったことも起こりやすいものです。
こういった“調子がいいとき”というのは、ランナーは欲をかいてしまうことが多くて、「より速いタイムで走りたい」という心理が強くなりやすいです。
結果的に、本来はアクティブレスト or 完全休養だった日にも、ペースが速めのジョグであったり、追い込んだ練習の翌日に“さらに追い込んだ練習をする”といったことが故障に繋がりやすいからこそ、「調子がいいときほど怪我をしやすい」という一つの理由でもあるんです。
アドレナリンの分泌は「痛み」を消し去ることも
冷静なときほど自身のコンディションに対しての自覚はあるものですが、ランニングの練習が楽しくて仕方がないというランナーほど「アドレナリンの分泌」に支配されすぎていることがあります。
プロランナーや実業団ランナーは「走って治す」という選択肢を取る人も多いでしょうが、市民ランナーも「痛みが少ないから、練習しながら治していきたい」と思う人は多いのでは?
ただこれ、結果的に「一生、走ることができなくなる」なんて危険性もはらんでいることは忘れないでおきたいものです。
特にスピードがもともとあるランナーほど、アドレナリンが出る影響で“日頃の痛み”がマヒしがち。結果的に、痛みのある部位も無視して走り続けている事が多いんです。
ランニングにおいて「アドレナリンが出る」ということも、自分自身の痛みを直視できず、そのまま蓄積疲労で故障してしまうことにつながりやすいでしょう。
職業ランナー以外でも「メンテナンス」は欠かさない意識を
ランナーが最も痛めやすい場所が「膝」でしょう。
- 腸脛靭帯炎
- 鵞足炎
- ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
が代表例ですが、過去記事で膝の痛みの原因や対策でご紹介しているように、股関節の筋力不足・柔軟不足であったり、大腿四頭筋のストレッチ不足であることはよくあるケースです。
いわゆる「職業ランナー」、プロランナーや実業団ランナーは「日々のケア」に加えて「プロの体のメンテナンス施術」を受けていても故障するときは故障します。
市民ランナーの場合、接骨院や整骨院に毎日通院するといったことはほぼ不可能でしょうから、ついつい練習に重きを置いて、メンテナンス自体を軽視しがちなのも危険です。
以前から紹介しているように、骨盤の歪み・股関節の筋力不足や柔軟不足・大腿四頭筋が固まりすぎている・ハムストリングスをうまく使えていないということも、膝の痛みや下肢の痛みにつながりやすいです。
自分自身でのセルフメンテナンス、ストレッチなども意識することは大事ですが、もし少しでも痛みがあるようなら「プロの施術」も考えながら練習して長寿ランナーを目指してください。
真面目なランナーほど記録が伸びやすく、真面目なランナーほどレベルアップしやすいのも長距離の醍醐味でしょう。
ただ、日々の生活に支障をきたすほどの痛みを抱えるまでに追い込むのは、いずれ“走ることができなくなる”という、自分自身が最も大きなストレスを抱える結果になりやすいものです。
調子がいいときほど……
- スピードが出やすい
- レースに多々出てしまう
- 休養日を設けずにオーバーワークになりやすい
ということが起きやすいので、冷静に自分の状況を把握するのも「ランニングの練習」として、自分自身の状態を向き合った練習をしてください。
ランニングの怪我を防止するには「バランス感覚」が大事
ランニングやジョギングに熱中すると、多くのランナーを悩ませるのが「怪我」。
ランニング障害はもはや、ランナーにとって悩みのタネの一つ。人によっては、毎日が憂鬱な気分になる人だっているんです。
怪我を防止するには、いかに“バランス感覚”を養うかが「ランニングフォーム」での肝。
怪我をしないランナーになるためには、どうすればいいか知っていますか?
ランニングでの怪我の原因は「オーバーワーク」
ランニングでの怪我の原因の多くが「オーバーワーク」でしょう。
故障をするかしないかは、それまでの練習量やフォームに依存することがあるので、慣れないスピード運動や過走行距離がたたると、一気に怪我・故障をしてしまう原因にも。
様々なランニング障害がありますよね。
- ランナーズニー(腸脛靭帯炎)
- 肉離れ(ハムストリングス・太もも etc…)
- シンスプリント
- 足首の捻挫
- 足の甲の疲労骨折
- 腰痛
- 足底筋膜炎
ほとんどすべてが“オーバーワークによるもの”ともいわれ、他にはランニングフォームの乱れが次点に挙げられます。
これには因果関係があって、「オーバーワークになるから体のバランスが崩れる=故障しやすい」というケースも多いんです。
つまり、日ごろから「バランス感覚」を意識したジョグ&フォーム固めが、ランニング障害・怪我防止となるわけですね。
ランニングフォームはバランス感覚第一?ジョグで気をつける点
普段、ひたすら追い込む練習をしているランナーこそ陥りやすいのが「フォームへの意識の欠陥」。
追い込む練習ばかりだと、フォームへの意識がジョグに比べて下がりがちです。
もちろん、インターバルなどでいかにタイムを維持して回すかには「フォーム」をいかに崩さないかが大事なんですが、余裕がなくなるとフォームへの意識も薄れがちに。
なので、ジョグできちんと「バランス感覚」を養うことが大事なんです。
特に、片方の足が痛みやすいというランナーは、バランス感覚が崩れている可能性が大。
バランス感覚が崩れている原因としては、
- 骨盤が歪んでいる
- ランニングフォームに癖があり、重心が偏っている
- 体幹が弱く、途中で“脚で走ってしまう”ことが多い
- 肩に力が入りすぎている
といったことが挙げられます。
日頃、あまりジョグをしない人は上記のことを改善するようにしてみてはいかがでしょう?
たとえば、骨盤が歪んでいるのなら、バランスボールを椅子代わりにしてみる。
フォームに癖があるのであれば、鏡でフォームチェックをしてみる。
体幹が弱いのであれば、インナーマッスルを鍛えるトレーニングを取り入れる。
肩が疲れるのであれば、腕振りのリズムを変えてみるなど、何でもないようなトレーニングのアプローチが“故障予防”につながることも多いんです。
2017年1月5日に交通事故に合い、左右のバランス感覚が崩れている筆者ですが、やはりバランスというものが「故障予防」には大きな起因になります。
オーバーワークもしかりですが、きちんとした“体のバランス”を意識してジョグや補強運動をするのも、怪我防止には大事でしょう。
ランニングはNG?故障中にしたいトレーニング
しっかりトレーニングをしたいところですが、実はシンスプリントを慢性化しているのでなかなか思うようにいきません。
ランニング愛好家の方は、「走ることがストレス解消」という方も多いでしょうから、故障中もランニングやジョギングを敢行してしまいがち。
ただ、やはり故障の慢性化を防ぐために、故障中は違ったトレーニングを行っておきたいところです。
クロストレーニングとしておすすめなスイミング
貧乏暇なし状態の筆者ですが、走れないほど足が痛いときはよくスポーツジムのプールで泳いでいました。
スイミングは得意ではないのですが、クロールで2000mをゆっくり60分ほど泳げば脂肪燃焼効果も高く、心肺機能も維持できる素晴らしいトレーニングです。
ちなみにスイミングは詳しくないんですが、「体幹」を意識する部分や、「肩甲骨」を意識する部分、そして何より「脱力」といった部分ではランニングやジョギングと共通する部分が多々あるんです。
どんな運動でも、体の使い方には共通する部分も多い証拠でしょうね。
故障中で足が痛いのなら上半身を鍛えましょう!
「故障中でも、走力が衰えるのが怖い……」
「体重が増えると、もとに戻らなさそう」
ランナーにはストイックな方が多いので、先の自分よりも“今の自分”を深刻に考える方が多いですよね。
特に、ランニング障害の代表例である「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」は長期離脱もありえるので、日頃から故障予防でランニングフォームをしっかりと固めておきたいところです。
ランニングフォームを固めるためには、上半身のブレをなくすことが一番。とりわけ、体幹部分、とくに腹筋のインナーマッスルをいかに強化できるかで、故障予防・走力アップができるといっても過言ではありません。
ただ、巷で推奨されている体幹トレーニングは、大部分が「アウターマッスル」を刺激してしまいがちなものが多いんです。
隆々とした筋肉は“男の魅力”ともいえますが、ランナーにとっては鋼の鎧にもなりかねません。
できるなら、インナーマッスルのような小さな筋肉を刺激して、上半身の体幹の安定を求めることが大事でしょう。
腹筋のインナーマッスルを鍛えるには「バランスボール」を
バランスボールにハマっている筆者ですが、椅子代わりにバランスボールを使ったりもします。
その際、足の裏はきちんと床についていることと、腹筋が緩まないように意識し、骨盤を立たせるためにややお尻を引くイメージで座ると、腹筋・背筋のバランスが取れやすくなります。
“ただ座っているだけ”ともいっても、しっかり座るだけでかなり腹筋や背筋のバランスを意識することができますよ。
腰痛持ちのランナーも多いでしょうが、これは背中の筋肉がかたまっている証拠で、腹筋を有効活用できていないため。
バランスボールを使ったトレーニングは様々ありますので、腹横筋を中心に「いかにインナーマッスルを鍛えることができるか」を、故障中に学んでみるのもありです。
他にもクロストレーニングとして、ロードバイクを購入するという方法もありますよね。
大腿筋やハムストリングスに刺激も与えられ、膝下に優しいといわれています。
ちなみにバランスボールは、3種類ほどのサイズがあります。
- Sサイズ (直径 55cm)→身長155cm未満
- Mサイズ (直径 65cm)→身長175cm未満
- Lサイズ (直径 75cm)→身長175cm以上
自分に合ったバランスボールを購入して、この機会にインナーマッスルを意識した座り方を学んでみてください。