ランニングの坂道トレーニングとは?効果的に走力を上げる方法
インターバルトレーニングって、走る前からかなりプレッシャーを感じますよね。
「設定タイム通り走れなかったらどうしよう」とか、「途中でバテたらどうしよう」とか、インターバルトレーニングはきつい練習なので、開始するまですら心理的なプレッシャーを感じることも多いのでは?
インターバルトレーニングは確かに、‟効果大”ですし、短期的に走力を上げられるというメリットがあります。
ただ、故障のリスクも高いですし、いきなりインターバルトレーニングをするのは抵抗があるという方は、坂道ダッシュを取り入れてはいかがでしょう。
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坂道トレーニングの効果は無限大!? 坂道トレーニング万能説
筆者の移住する近所には、標高30m弱で、片道200mという、トレーニングに最適な公園があります。灯台下暗しとならぬよう、なるべく‟坂道ダッシュ”や‟坂道インターバル”を取り入れるようにしているのですが、やはり走るときはきついです。
ただ、筆者のよう、坂の登りが苦手なタイプは、とにかく場数をこなすことも大事だと考えてます。
一般的には、インターバルトレーニングこそが“スピード持久力”をつける最良の手段と考えられていますが、坂道インターバルや坂道ダッシュも、なかなかの効果があります。
ザックリ言ってしまうと、3点あります。
- 心肺機能向上
- 脚力強化
- フォーム改善
メリットとしては、スピードを意識しすぎないでも3つの練習効果が得られるということです。
坂道トレーニングの「上り」の走り方
漠然と走っていてはダメというのが筆者の持論なんですが、特に坂道トレーニングでは気をつけたいところ。上りでは特にフォームに気をつけたいです。
坂道の上りだと、どうしても“きつさ”が上回ってしまうので、余裕がなくなりがち。ただ、上りこそ走り方に注意するべきではないでしょうか。
- 後ろに足が流れないようにする
- 下を向きすぎない。でも、顎は上げない。視線はやや上目づかいで
- 肘を引きつつも、肩甲骨で太ももを上げるイメージ(筆者の場合は上りのときは、ボクシングのアッパーを意識しています)
- 腰を落とさないで、体幹の位置を意識しながら走る。
- 骨盤はやや前傾させるイメージでも、上半身は起こしておく
前かがみになりすぎて、胸が開けなくなってくると呼吸もきつくなってくるので注意したいですよね。
坂道トレーニングの「下り」の走り方
実は筆者もこれを書いている昨日、近所の小山で「下り」を意識して走りました。ただ、下りは故障に注意したいところ。
下りで走ると、通常の体重の5倍の負荷がかかるといわれますので、体重60kgの方だと300kgの負荷がかかります。あまり勢いよく下ると、故障誘発の原因になります。
- 肘をたたんで、手が腰をかするイメージでコンパクトに走る
- 転倒を恐れて後傾しないこと。腰を引かずに、思い切った前傾姿勢で
- ストライドはあまり意識せず、ピッチを重視した走りでリズムよく
- 重心を意識して、ブレないように注意し“腕振り”でバランスをとりつつ推進力を得る
前回、駅伝を走っていた区間で急な下りがあったのですが、どうしても呼吸がつらくなってくると、前傾姿勢になろうとしても腰がやや引けてしまいます。
これは脚力不足もあるんだと思うのですが、顎を上げないように注意すると、ある程度は修正ができそうです。
一番のポイントは、腕振りで肘を開かずにコンパクトに下ることではないでしょうか。
筆者自身も研究中です。
坂道トレーニングの距離と本数に関して
坂道トレーニングって万能ですよ。
ダッシュしてもいいですし、ゆっくり往復するだけでも大きな効果があります。
もし心肺機能向上を特に狙うのであれば、片道200mの往復を10本から20本がおすすめです。けっこうきついです。
ペースは、上りは全力ではなく、ウィンドスプリントをするイメージで7割から8割の力でもいいんじゃないでしょうか。下るときはレストでいきましょう。
ちなみに筆者は、足を作るために“ゆっくりジョグ”でも坂道を利用することにしました。昨日は、途中でLAPが制限回数をオーバーしてしまったので正式にはわかりませんが、片道200mの往復を11km-12kmほど走りました。
キロ5分台で回しても、標高30m弱を駆け上るのでいいトレーニングになるんです。
ランニングにおける下り坂の走り方
リハビリ中の病院の先生で、「下りの走り方が分からない」という“ランナーとしての質問”があったのですが、実は筆者も上りと下りは得意ではありません。
ただ、いかに故障を減らして「上り・下り」をランニングするかというのは、やはりランニングフォームと密接に関係があります。
下りのランニングで腸脛靭帯炎になりやすい理由
上りではペースが殺され、下りで挽回しようとする気持ちは分かるのですが、下り坂だからといってむやみにペースを上げるのは故障の要因に繋がってしまうので注意が必要です。
基本的にランニングというのは前進運動なので、等加速度運動として変化があります。
速度と時間を考えた上で、加速度が殺される「上り坂」では、ペースが落ちるのが基本です。
また、下り坂では、等加速度運動に置き換えれば“ペースが上がる”のが基本です。
ただ、実はこれが「下りの走り方」のジレンマにもなり、下りでペースを上げることで故障を誘発させる大きな原因にもなりやすいんです。
結果的に、着地地点が重心より前の位置になり、膝が伸びることで負担が増え「腸脛靭帯炎」になる可能性が高まります。
足の故障を気にするなら「上りも下りもゆっくりと」
駅伝などの短い距離でよくあるコースが、行きは「激坂」、帰りは「ジェットコースター」なんてコースです。
筆者は今年は怪我のせいで駅伝を一回も走っていませんが、これまで走った駅伝では「激坂コース」というのは何度も経験しています。
前半、上りで失われた速度を、後半の下りで“借金を返す”という気持ちはよくわかります。
ただ、フルマラソンやランニングの練習においては、上りも下りも一定のペースであることが理想というのが持論です。
フラットであればあるほど“故障のリスク”は下がりますが、等加速度運動を考えれば、体重が軽ければ軽いほど「速度」が殺されないのが、体重の軽いマラソンランナーにはプラス要素。
ただ、全てのランナーが「アスリートな体型」だともかぎりませんし、それに見合った筋力があるともかぎりません。
そういう点を考えると、やはり上りと下りは脚に負担の少ない「一定のペース」で刻むことが理想となります。
上りでも下りでも共通するのは「着地点」
ペースが速かろうが遅かろうが、そして上りが急であろうが緩やかであろうが、ランニングフォームというのは一定であるべきだというのも持論です。
上り坂と下り坂で生じる「誤差」を埋めるのが“上り坂と下り坂の走り方”なわけであり、特別な走り方をするというよりは、本来のフラットな走り方にいかに近づけるかというのが大事な点です。
上半身の使い方は最も大事なのですが、多くのランナーに見られるのが「着地点」の誤差です。
たとえば、上り坂であればストライドが狭くなり、脚が後ろに流れるということではエネルギーロスも激しく、脚への負担も大きくなります。
また下り坂であれば、等加速度運動としてスピードが上がるゆえに、どうしても着地点を上半身よりも前方で着地してしまいがちです。
トップランナーの走り方を見れば一目瞭然ですが、速いランナーは上りでも下りでも「体の真下」で着地していることがわかります。
一度、マラソン中継で“上半身の使い方”と“着地点”の因果関係を詳しく見てください。
多くのランナーが、ストライドやピッチが常人離れにも関わらず、結局、体の真下で着地して「地面の反発」を利用してスピードを上げているにすぎないのです。
今回はやや難しいお話になりましたが、どうでしょう。
練習ができない、あるいは練習が嫌いなランナーにとって、頭でランニングフォームを科学するのも立派な練習です。
フラストレーションばかりたまる筆者ですが、いかにランニングを効率化させるかと考えるだけでも、いつかしっかりと練習が開始できることの「モチベーション」にもなります。
上りや下りの走り方次第で「故障のリスク」を減らすことにもつながりますので、下りなどで腸脛靭帯炎になっているランナーは、上半身を起点とした“着地点の見直し”をしてみてはいかがでしょう。
ランニングの坂道トレーニングまとめ
ちょっとした住宅地の上りでもいいと思うんです。歩道橋の階段を使うのもいいかもしれませんよ。
筆者は気恥ずかしさが勝ってしまって、やったことないですけど。
坂道トレーニングで、理想的なフォーム、バテない心肺機能、強靭な脚力をつけてください。インターバルトレーニングより効果があるかどうかは断言できませんが、筆者は見事に成果が出てきているので強くお勧めしたいです。
ちなみにダイエット効果も強いようなので、筆者はメタボ脱却のためにこれからも坂道トレーニングを頑張りたい所存なのであります。
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