ランニングのアップダウン走(起伏走)とは?トレーニング効果とやり方を徹底解説
いよいよマラソンシーズン。
夏になかなか練習できなかったという筆者のような方も多いでしょうが、まだまだ諦めるのは早いですよ。
どのレースを本命にするかでも練習内容は変わりますが、11月から12月のフルマラソンでも“目標タイム”に近づけるためには、アップダウン走がオススメです。
マラソンのタイムが上がる最も大きな効果があるといっても過言ではない「アップダウン走」の練習方法のご紹介です。
ジャンプできる目次
週末こそアップダウン走(起伏走)の練習で上り・下りで練習を
都会に住んでいる方はなかなかコースがないと思われがちですが、たとえば都内であれば白金台の住宅地はアップダウンも多いところもありますよね。
何も、“アップダウン走は山でする”という必要はないんです。
たとえば、川をまたぐ高架橋を何度もするだけでもアップダウン走になりますし、極端にいえば歩道橋を何往復するだけでも立派なアップダウン走ですよね。
まずはアップダウン走のコースをみつけることも大事ですが、身近なところでアップダウンは意外にあるので、注意してみつけてみてください。
週末は朝から思いっきり体を動かしても、「昼寝」という特権もありますよね。
上り・下りは、フルマラソンを走りきる筋持久力を養うのに、かなり高い効果があるんです。
アップダウン走の上りでは心肺機能と腕振りを意識せよ
アップダウン走の上り区間は、それほどペースが上がらなくても心肺機能を向上させることができます。
同時に、腕振りを意識することで、太ももを高く上げるフォームに矯正できるので、腕振りの改善と足の振り出しの改善にもなるのがうれしいところ。
もちろん、走っているときはきつくて“うれしい”どころではありませんが、しっかりと腕振りを意識して目線を下げすぎずに走ると、心肺機能と同時にフォーム改善にもなり、まさに一石二鳥なんです。
アップダウン走練習の下りでは体の真下で着地しつつ筋持久力を養成
アップダウン走の下りの区間は、思いっきり下るというのも練習効果は高いです。
ただ、“フォームを意識して下る”というのも大事。特に、体を前傾させて、なるべく着地は体の真下で行うことで、筋持久力を養いつつムダに筋力を使わないフォーム改善にもつながりますよ。
また、下りは体重の数倍もの負荷がかかるので、筋持久力の養成にはうってつけ。
フルマラソン対策としてロング走をする時間がない方は、自分でみつけた「アップダウンコース」をひたすら走り続けるというのも、練習効果は高いはずです。
アップダウン走でおすすめなトレイルランニング
2015年は筆者も積極的に取り入れていたのが「トレイルランニング」。
山の中のアップダウンを走り続けることで、自然なフォーム改善にもなりますし、集中して走ることで飽きがこないので時間があっという間に過ぎました。
最近は筆者もトレイルランニングはサボリ気味なので、今年の秋には再開予定。
土の上ならアスファルトのよりも着地衝撃が軽減されるので、“足に優しく、脚を鍛える”ということが可能ですよ。
起伏走のすすめ
ランナーそれぞれ、タイムを縮めるために「30km走」を筆頭としたロング走をする方は多いでしょうが、実は肩肘張って「30km走」を設定タイムどおりこなすよりも、坂道の多い起伏コースで脚を作った方がいいケースもあります。
起伏走の魅力をどんとご紹介しちゃいましょう。
30km走のペース走ばかりを信仰してレースを迎えるのは危険?
教科書のように、どの雑誌を見ても「フルマラソンの3週間前は30km走を」と書いてありますが、もちろん、これは効果大です。
- 30km走を行い、疲労のピークに持ってくることができる
- フルマラソン未体験の方は、30km走を行うことで“残りの12kmのツラさ”をイメージできる
- 今の力量を知ることができる
- ペース配分を事前に体験できる
“やってはいけない”というよりも、“過信してはいけない”といった表現が正しいかもしれません。
事実、筆者は神戸マラソンの3週間前の時期に30km走をしています。
ただ、それはあくまで“自分の走力を知る機会”とした方がいいのではないかというのが持論です。
「30km走ができたから、あとは練習量をグッと落とす」といったランナーも多いですが、実は筆者は「テーパリング」をあまり重視していません。
要は、教科書通りに練習計画を立てて練習を“その通りにしなければいけない”といった意識ではなくて、「今日の体調はどうか」に合わせて練習内容を見直すべきなんです。
もちろん、ランナーのタイプによって個人差はあるんですが、テーパリングを意識しすぎて、オーバーウェイトになってしまっては意味がないですよね。
そこで“強い心肺機能と脚”を身につけるためにオススメしたいのが、「起伏走」です。
ペースを上げずに心肺機能向上・脚づくりができる起伏走のメリット
筆者お気に入りの起伏走が、ひたすら上ったり下ったりを連続する、片道1.2km程度のコース周回。
キロ5分程度でも、キロ4分20秒以上で走っているような感覚で走ることができるんです。
起伏走のいいところは、上りで心肺機能を向上させることができ、下りで着地時に脚力づくりができる点。
慣れていないと内臓がやられてしまうほどのキツさでのペース配分も無理なくできて、またフォームの適正化までできるという一石三鳥といってもいいほどの練習。
近くにこういったコースがない方は、片道200mの坂道をひたすら往復するのも手段です。
くすんでいた走力が伸びたのは「起伏走効果」
筆者は走るのが速くありません。
幼少期は「鈍足」とまで自負していました。ただ、走ることに関してはどちらかといえば“好き”だったのが、マラソンを続けている理由なのかもしれません。
サブ3.5を達成した3~4年ほど前、「もうこれ以上、記録は伸びないだろう」とモチベーションが低下していたときに、さらにレベルアップしたいという願望がでてきたときに試したのが、この「起伏走」でした。
今でも褒められるフォームではありませんが、“体幹で走る”ということを知ることができ、なおかつ心肺機能向上と脚力アップができる「起伏走」は、“30km走をひたすら行う”というよりも効果的な練習ではないかと思うんです。
もちろん、レベルアップすれば、起伏走で30km走をすればいいんです。
常識にとらわれずに、“自分なりの練習方法”を発掘していくのも、ランニングの練習での醍醐味ですよね。
ランニングのアップダウン走(起伏走)まとめ
いよいよフルマラソンシーズンがやってきますが、練習不足を感じている方に特におすすめなのが「アップダウン走」。
気を張りすぎて、山にいく必要はないんです。
近くに公園のアップダウンで、ひたすら走り込んで筋持久力を養成してくださいね。