ランニングで速く走るための正しい腕振り方法まとめ
ランニングといえば走る動作なので「足」の動きに着目しがちですが、実は「腕振り」も重要な要素の一つです。
走るときの足の動きと腕の動きは連動しているので、ランニングで速く走るためには正しい腕振りが必要です。
正しい腕振りをマスターすることで、より速く、より長い距離を走れるようになります。
この記事では以下のことを解説します。
- 速く走るためにはなぜ腕振りが重要なのか?
- 正しい腕の振り方を覚えるコツ
- 肩甲骨まわりのストレッチが正しい腕振りに繋がる
- 腕振りの参考になる選手
- コンパクトな腕振りをするには女性ランナーを参考に
- 上半身と下半身を連動させる腕振りと骨盤について
- 正しい腕振りをすると肩こりと首こりが解消する
- 腕振りで「腕を振らない」ランニングフォーム
- ランニングの腕振りに関するおすすめ書籍
それでは、早速ですが、「速く走るためにはなぜ腕振りが重要なのか?」について解説していきたいと思います!
ジャンプできる目次
速く走るためにはなぜ腕振りが重要なのか?
もともと筆者は、マラソンや駅伝で「速く走る」というパフォーマンスも練習量も、ファンランナーの中では並程度です。
だからこそ、「走る技術」を向上させることで、走力のなさをカバーしてきました。
とりわけ「腕振り」に意識を置いてからは、走りも安定してきましたし、タイムも向上してきています。
故障までも減ってきているので、「ランニングフォーム」というのは、走る上でとにかく重要だなと痛感する日々です。
まずは、腕振りがなぜ重要なのか説明します。
腕をまったく動かさずに走れますか?
腕振りがなぜ重要かの答えは、腕を全く振らずに走ってみると答えがわかります。
腕を全く動かさずに走ろうとすると、とても走りづらくスピードもでないのです。
腕の動きは足の動きと連動している
人が走るとき腕の動きは足の動きと連動していて、腕振り1回に対して足も1歩進んでいく仕組みです。
なので、走るピッチを上げたいと思ったら、足の動きだけでなく、腕振りも意識して速く動かさないと速く走ることはできません。
正しい腕振りがランニングの推進力を生み出す
上記理由から、正しい腕振りをするランニングフォームが、あなたの走りに推進力を生み出してくれます。
筆者である私自身も、腕振りに意識を置くようになってから、ランニングが安定するようになり、マラソンタイムも向上し始めました。
ランニングの腕振りが参考になる選手
ここからは、ランニングの腕振りが参考になる選手をご紹介します
「川内優輝」選手のダイナミックな腕振り
市民ランナーの星、川内優輝選手は全身を大きく使ったストライド走法です。
そのダイナミックなフォームは、腕振りの大きさにも表れています。
この走法の場合、「持って生まれた」心肺機能、そして鍛錬された「脚力」が伴えば、フルマラソンでも駅伝でも好記録が出やすいです。
川内優輝選手のようなトップアスリートであれば、さらにピッチ数も高くなります。
速いペースで走るには、「大きなフォーム+ストライド走法」と、ケイデンス数を上げることが大事。
実は筆者も、昔は「大きなフォーム」を作りたかったので、いかに腕振りでストライド走法ができるかを優先していました。
ただ、サブスリーを目指すまでの市民ランナーであれば、無駄のないコンパクトな腕振りが良い気がしてきています。
もっとコンパクトな動きを取り入れたほうが、ムダのないフォームに仕上がるのではないかと感じるのです。
そのためには、「コンパクトな腕振り」が重要になります。
「藤原新」選手のコンパクトな腕振り
藤原新選手といえば、フォームを研究し続けるプロランナーで、我々市民ランナーもお手本にしたいランニングフォームの持ち主です。
とくに、藤原新選手がこだわっているのが「腕振り」です。
長距離走のトレーニングというと、心肺機能と脚力を高めることに焦点を絞りがちだが、藤原はランニングの本質はそこにあるのではないという思想に至り、フォーム、つまりランニングの技術の追究をスタートした。
走る技術は非常にデリケートなものだ。姿勢、モーション、そのタイミングによってフォームは微妙に変わる。
「腕の振りはこうだ」という答えを得ても、そこばかりに集中すると、他の動きが狂ってくる。そうなると「あの腕振りは間違っていたのではないか」という考えが頭をよぎり、また最初からやり直しになる。
そんな藤原新選手、腕振りがとても「コンパクト」です。
胸の辺りでしっかりと腕を降っていて、うまく上半身と下半身の動きが連動できているなと、いつも惚れ惚れするランナーの1人です。
実は筆者も最近、腕振りをコンパクトにすることで、逆に上半身をダイナミックに使えると実感しています。
コンパクトな腕振りだと、脇も締まるので、上半身の力が「逃げる」ことがなくなります。
その結果、肩甲骨、体幹、骨盤、内転筋がうまく連動する感触があります。
ただ、練習嫌いの筆者なので、もともと弱い体幹を全面にカバーすることはできません。
しかしながら、昨日のペース走でもうまく前傾姿勢を崩さず、体幹のブレが少ない感触がありました。
「大きなフォーム」は意識することは大事なのですが、それは「大きく腕を振る」といった認識自体が間違っていた可能性もあるということかもしれません。
違う言い方をすれば、腕振りがコンパクトに見えても、実は大きなフォームであるということがあるわけですね。
ピッチ如何でも、もちろん走るスピードは変わってきますが、腕振りの際は、腕をたたんだコンパクトな走りを意識するもの大事ではないでしょうか。
コンパクトな腕振りをするには女性ランナーを参考に
ウォーキングをしているとよく気付くのが、腕振りの難しさ。
男子マラソンランナーは豪快な腕振りでストライドを伸ばしますが、筆者を始めとする市民ランナーはむしろ、女性ランナーの腕振りを見習ったほうがいいのではないでしょうか。
大きい腕振りとストライド走法はフルマラソン向きではない
そもそもフルマラソンを走るには、3時間~6時間のランナーが多数でしょう。
要求されるのは「省エネ」です。
筆者もどちらかといえば、腕振りとストライドを活かした走りをすることが多いのですが、フルマラソンとなるとストライド走法&大きな腕振りは「後半の疲労」につながりやすいと感じています。
トップランナーも、大きな腕振りでストライド走法に見えますが、「いかに省エネで走ることができるか」をジョグの最中に確かめているはずですよね。
つまり、自分自身にとって「無理のないストライドや腕振りなのか」を確認しなければなりません。
女性ランナーは腕振りがコンパクトでピッチ走法が多い
男性と比較すると、どうしても筋肉量や骨格が小さいのが女性です。
ただ、女性ランナーはピッチ走法で「大崩れ」がありません。
腕振りはコンパクトで、上下動のブレがない。なおかつ、ピッチ走法なので大腿四頭筋やハムストリングスへのダメージも軽減される。
これこそが、フルマラソンでサブスリーまでを狙うランナーに必要なことだとは思いませんか?
そもそも、ハーフマラソンまでは自信があるのに、フルマラソンとなると失速してしまうのには、ランナーごとで様々な理由があるでしょう。
- 筋持久力不足
- スピード持久力の不足
- 体幹がブレてくる
- オーバーペース
- 30kmの壁や35kmの壁
- 30km以降に脚が攣りやすい
他にも人によって症例はあるでしょうが、これらに共通するのは、「大きな動き」が筋力に対してダメージを大きくしている可能性です。
例えば筆者は10kmマラソンまではスポードを維持できるものの、15km以降は苦しい展開になることが多いです。
絶対的な練習不足だったのは否めませんが、きちんと練習してフルマラソンに臨んだ際にも同様の「痙攣」などがあったので、単純に「練習不足」だとしか思っていませんでした。
ただ、オーバーストライドで腕振りに力が入りすぎている、というのも要因だったんだろうなと今では感じています。
コンパクトな腕振りで気をつけたいポイント
ストライドの広さを左右するのは、いかに腕振りで調整できるかです。
ゆったりとした腕振りなら、ストライドに依存。折りたたんだコンパクトな腕振りなら、ピッチ走法気味になるといった感じでしょうか。
コンパクトな腕振りの練習ができていないのでなんとも言えませんが、女性ランナーに習うとすれば、コンパクトな腕振りには以下のポイントを押さえてジョグを意識してみてはいかがでしょうか。
- 脇をしめて、腕は極力腰の近く
- ストライドで腕の反動の使用は控える(程々に)
- 肩甲骨だけを動かすイメージ
- 親指を立てて拳を脱力させる
- 肩甲骨から連動する腕振りでは、骨盤をローリング
- 着地は体の真下で、あくまでピッチを意識
- 大事なのは、腕を振りすぎない
ピッチ走法を試したことがないのでなんとも言えませんが、フルマラソンで後半きつい、失速してしまうというストライド走法のランナーの方は、ピッチ走法のアプローチも候補にあげてみてはいかがでしょう。
そもそもランニングフォームというのは、個人の骨格や筋肉量に左右されることがあるので「絶対的正解」はありません。
ただし、その人にあった「省エネ」の走り方は必ずあるはずなので、探してみてはいかがでしょうか。
上半身と下半身を連動させる腕振りと骨盤について
神戸マラソン前日のブースで第一生命の横沢永奈選手にフォームを改善してもらったときに、腕振りと骨盤の位置を指摘いただきました。
「きれいなフォームですね」と言われご満悦だったわけですが、気になっていた腕振りと骨盤の位置を指摘され、「さすがプロ」と実感しました。
やはり腕振りと骨盤の位置は速く走るための要だと再認識しました。
指摘してもらった部分もふまえ、「正しい腕振り」と「骨盤の位置の矯正」についてまとめてみました。
楽に腕振りをして骨盤と肩甲骨を連動させるには?
これまでの筆者の場合、ピッチをあげようと腕振りの際に、拳の角度に苦労していました。
手の甲を上に向けるように変えたものの、やたらと肩がこるというケースが多かったです。
実は、腕振りの肩こりで悩むランナーは多いのです。
筆者自信が「腕振りはしなくていいぐらい」と主張しながらも、肩が旋回するような動きになってしまい、縦振りで骨盤と連動すべき腕振りが、横振りで力がうまく下半身に伝わっていなかったことがわかりました。
第一生命の横沢永奈選手にアドバイスをもらったのが、親指をたてて走ると、うまく脇がしまって肩甲骨が動きやすくなるということ。
画像では少しわかりにくいですが、実際に親指を立てて肩甲骨を動かすイメージで腕振りをしてみてください。
無駄な力が抜けて、肘を引くのもナチュラルにできるはず。結果的に肩甲骨がしっかりと動くので、その反動が骨盤と連動しやすくなるのです。
正しい骨盤の位置は「高めのやや前傾」
筆者はデスクワーク歴が長く、しかも腹筋が弱いので“骨盤が後傾している”のが弱点。
ずばり、ランニングフォーム診断でもそこを指摘されましたよ。
骨盤が後傾すると、足を前に出すのに無駄なエネルギーを使ってしまいますよね。
骨盤を前傾させるためには、「腹筋を鍛えてくださいね」というご指摘をいただいたんですが、同時に肩甲骨の柔軟性を上げることも大事です。
骨盤が後傾していると、「脚で走ってしまう」という負担がかかり、故障も起こりがち。
実際、筆者も神戸マラソンの写真を見返すと、やはり骨盤は後傾していました。
骨盤が後傾すると、顎も上がって上半身に無駄な力が加わり、それが肩甲骨の動きも制限されがちに。
結局、上半身と下半身の連動がうまくいかず、チグハグのフォームになってしまうのです。
理想は、アフリカ人ランナーの骨盤の位置。
骨盤を前傾させるには、腹筋の強化と正しい姿勢を心がけることが大事なようです。
ちなみに筆者はオンラインヨガで、骨盤にいい正しい姿勢を身に着けて、レベルアップしました!
ランニングの腕振りに関するおすすめ書籍
マラソン腕振り革命 ターンオーバー理論で驚くほど推進力がアップする!
5年連続現役サブスリー漫画家が精魂込めて書き上げた腕振りに関する書籍です。
腕振りで気をつけないといけない点は以下の3つあることを学べます。
- 大きく強く振れば速くなるわけではないことを理解する
- ターンオーバーの局面を意識する
- 腕振りと足回しは必ずシンクロさせる
正しい腕振りをすると肩こりと首こりが解消する
現代において、仕事をする上でパソコンを利用しない業種の方が増えているといえますし、プライベートな時間帯においてはスマホを長時間利用するという方々も多いのではないでしょうか。
「どうぞ肩こりを発症してください!」といわんばかりのデジダル時代ですが、弊害として、肩こりや首こりといった症状が出てくる人が急増しています。
しつこい肩こりや首こりは、有酸素運動が有効といわれていて、スポーツクラブでヨガなどを実践されておられる方もいるでしょう。
ただ、「なんとなくスポーツクラブに通うのもめんどくさいんだよなぁ……」」という方にうってつけなのが「ランニング」なのです。
肩こり・首こり解消にランニングがいい理由
ランニングは有酸素運動なので「血行がよくなる」といわれますよね。
デスクワークの方は特に、同じ姿勢でキーボードを打つことが多いでしょうから、どうしても血行が悪くなって老廃物が溜まりがち。
血行がよくなると体温も上昇するため、それだけで肩こりや首こり改善の一要因となるんです。
また、代謝がよくなることで筋肉量も増えることから、体の動きもスムーズになり、率先して運動しやすい体質になるという点もあります。
シューズ一つで始められるので、運動不足の方にとってはお手軽に始められる肩こり解消方法といえますよね。
さらに、走っているときは、悩んでいることを忘れることができたり、頭の整理をするのに最適です。精神的なリフレッシュにつながることで、自立神経を整えられるという効果もありますよ。
逆に肩こりになった?ランニングでは「フォーム」に注意
ジョギングを始めたばかりの方に多いのが、「ランニング・ジョギングをして、逆に肩がこってしまった」とおっしゃられる方です。
その原因として一番に考えられるのが、「肩に力が入った状態」でジョギングをしていること。
確かに、肩こり解消のためには「肩甲骨をしっかり動かす」ということが重要で、またこの発想自体は間違っていません。
ただ、腕振りを意識しすぎるあまりに、肩に力が入りすぎて、腕を振りすぎるという間違いが多いことも事実です。
ランナーにとって腕振りというのは、フォームを固めるのにもっとも重点を置くべきところだとは思いますが、肩こり・首こり解消のために以下を念頭に置かれてはどうでしょう?
- 肩に力は入れない
- 肘を後ろに引く感覚
- おへその下の部分(丹田)を意識して走る
- 猫背にならないよう、頭が空から引っ張られている意識を持つ
- 腕振りがきつくなってきたら、おもいきって腕はふらない
- 肩甲骨から羽が生えているイメージを持つ
なかなかピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、一番大事なのは、「腕を振らないこと」なのです。
腕をふろうと意識し過ぎるあまり、小手先だけ無駄に動かすと肩に力が入ってしまいがち。
コツとしては、肘を起点に二の腕を後ろに引く感覚でしょうか。どうしても腕振りに違和感があるのであれば、思い切って腕を振らずに走るのもありだと思います。
たとえ腕を脱力させて走っていたとしても、リズムを取ったり、バランスを取ったりしているものなので、逆に腕振りをしないというのもアリではないでしょうか。
実は私もデスクワーク歴が5年を超え、完全に肩こり・首こりの患者です。
ストレートネックでもあるので、普段でも首の痛みでストレスを感じることが多々あります。
ただ、ジョギングやランニングの練習を終えると、やはり肩まわりはスッキリしていて、肩こりや首こりに効果があるんだなと強く感じます。
近くに公園や川がある方は、寒い時期ではありますが、防寒して景色を楽しみながらジョギングをしてみてはいかがでしょう。
首こりや肩こりは“目から”ともいわれるので、同時に、このデジタル社会から少しでも逃避できるかもしれませんよ。
腕振りで「腕を振らない」ランニングフォーム
あの福士加代子選手も、「足で走るんじゃない。体全体で走るんだ」と言っていたように、マラソンの「30kmの壁」を跳ね返すためには、上半身を使えるように腕振りを工夫することが重要です。
ふと『RUNNET』を見ていたら興味深い書き込みがあったのでご紹介します。
「肩甲骨を使った 腕振りを教えてください」の回答者の内容が秀逸だった
速く走るためには、「ランニング理論」も大事です。
やみくもに練習をしていたのでは、「頭打ち」になることばかりだと思います。
何も、マラソンに限ったことではないでしょう。
そんな折に見つけたのが、下記です。
●1
腕振りとは、腕を振ることを意味しない。
腕は振り子にすぎない。
鎖骨を交互に前後させる動作が腕振りであって、腕は鎖骨の振りによって投げられているにすぎない。
投げられた腕は遠心力となり、体全体の推進力となる。●2
腕の形は人それぞれである。
左右異なるランナーも多い。
(特にアフリカのランナーは、肘を極端に曲げ、拳が首のあたりにあるランナーも多い…不思議だが)
ただし、振り子なので、原則、肘の角度は一定で、腕は、肩から先は一個の物体となるようにする。
もちろん、リラックスするために時々、腕を遊ばせたりすることはある。
手のひらは、開いても握ってもいいが、拳を強く握ると(振り子として)ロスがでるので、力を抜く。
一流ランナーをTV中継で真横から観察すると、どのランナーも上記にあてはまるのがわかる。
すなわち、胸と背中が交互に見える。●3
スピードの変化は腕ふりによっておこなう。
スピードアップは、引き腕を強くする。
肩がいからないよう、鎖骨をダイナミックに揺する。●4
感覚として、右腕を引いた時、その反動で自然と右脚がおくれているようになり、
上体と下半身がネジレのようになれば、
フォームは飛躍的にスムースとなる。●5
アップダウンに関し…
登りでは、腕を下げていく、拳を地面にたたきつけるイメージ
下りでは、腕の引きを抑えてバランスをとる。●6
その他フォームに関し…
目線は下にならないようにする。
体の前傾には意味がなく、かえって膝を前に出せなくなる。
体を立て、前方をよく見る。
そのために体幹のトレーニングが重要となる。
どれもこれも、筆者が課題認識していて改善しようとしていることばかりなので驚きました。
同時に、自分の理論、考え方は「間違っていない」という一つの安堵もあります。
というのは、この方にアドバイスを送られた方が、アトランタ代表の真木和さんを教えられた藤田監督の直伝なのです。
ちなみに、真木和さん(現姓: 山岡)は、愛媛県の今治北高校出身です。
真木 和(まき いずみ、1968年12月10日 – )は、日本の元陸上競技(長距離走)およびマラソン選手。現姓山岡。愛媛県今治市(旧波方町)出身。
バルセロナオリンピック女子10000mとアトランタオリンピック女子マラソンに、二大会連続で五輪代表に選出など、1990年代前半から後半にかけて活躍した。現在は、シスメックス女子陸上部顧問・藤田信之が監督として主催する「F・R・A 藤田ランニングアカデミー」のアドバイザリースタッフを務めている。
「脚で走る」からマラソンで「脚を攣る」
筆者もそうだったのですが、フルマラソンとなると毎回「ふくらはぎの攣り」が心配になります。
もちろん、今でも攣ることはあるのですが、初めてフルマラソンを走った時のような「全身痙攣」にいたることはありません。
これはやはり、「脚で走らなくなった」からではないかと仮説を立てています。
地面を蹴るような走り方だと、どうしてもふくらはぎにも負担がきてしまいます。
ふくらはぎが攣ると太ももも上がらなくなりますし、そうなるともはやフルマラソンでは「The End」となってしまいます。
それを回避するには、やはり「上半身と下半身の連動」、「上半身マターで走る」ことが大事です。
そうはいっても、筆者も長距離走をすると、どうしても体幹が弱いなと感じたり、腕がだるくなってきたりします。
しかしながら、脚の筋肉の疲労はほとんど出なくなりました。(慢性のシンスプリントには悩んでいますが……)
上半身を使うには補強運動がベスト
上半身をうまく使うには、上半身の補強運動がいいらしいです。
「らしい」というのは、飽き性の筆者がなかなか補強運動が続かないため。
ただ、クラブチームの方々でフォームが全く崩れない方は、おそらくかなり体幹が強いんだろうと見ています。
なお、筆者のお腹周りにはうっすらと脂肪が浮いていますので、その説得力のなさはご了承くださいませ。
腕を振る(厳密には肘を引く)→肩甲骨と下半身との連動で太ももを上げる→脚をまっすぐ運ぶために、体幹を意識する→長時間上半身を支えるためには体幹の強さが重要→ブレない体幹と力強い腕が脚を疲れさせない
となる仕組みです。
走るのは遅い筆者ですが、趣味は「走っている人のフォームを観察する」という、かなり陰湿めいたものです。
だからこそと言っては変ですが、「あ、この人、肩甲骨がもっと柔らかく使えればもっと速くなるのに」とか、「肩に力がはいっとんなー」とか、心でつぶやいています。
『RUNNET』の回答者もおっしゃっているよう、厳密にいえば「腕は振らない」ことが大事で、推進力を得るための振り子運動を強めることにあるんですね。
ちなみにこの振り子運動は「ゴルフ」にも同じことがいえるんですが、かなりのスレチになりますので、チラシの裏にでも書いておくことにします。
ランニングで速く走るための正しい腕振り方法まとめ
「我々は市民ランナーなんだから、プロランナーとは格が違う」と思われがちですが、筆者の考えでは、もともとのパフォーマンスで敵わないのであれば、技術を磨くことでタイムを上げていくべきです。
もちろん、それに練習量がついてくればいいのですが。
腕をコンパクトに振るといっても抽象的なのですが、筆者は以下の腕振りを試しているところです。
- 拳はムダに振らない(固定)が、肩に力が入らないように脱力
- 肩甲骨主導で肘が引けるような意識
- 腕を下げ過ぎない(胸の周りにおいておく)
- イメージとしては、小さいボールを後ろにバックトスすることをリズムよくする感じ
- ちなみに青学の下田選手のような腕振りを意識してます
「コンパクト」を意識するあまりに、下半身と連動しないということにはならないでくださいね。
筆者もまだまだ試行錯誤が続きますが、忘備録的なところもあり、腕振りについてご紹介させていただきました。
ランニングフォームの追求は奥が深くて楽しいですね。