ランニングにおけるオーバープロネーション(回内足)とは?
冬の季節になると、「スネが痛い」と悩むランナーは少なくありません。
かく言う筆者も、2年以上前に月間走行距離300kmを目標としていた冬の季節は、毎年「シンスプリント」に悩んでいたものです。
その原因は今でこそ明らかで、「回内足」、いわゆる「オーバープロネーション」が大きな原因だったりしますが、これの解消の鍵は「内転筋&大腿四頭筋の使い方」でもあるんです。
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回内足(オーバープロネーション)の特徴
実は筆者も、ランニングを始めた頃から“スネの痛み”には悩まされていました。
昔はよく「ペインクリニック」でスネにブロック注射を打っていたものですが、当時は「根本的な解消法」はなかなか見つからず、姫原クリニックのお世話になりっぱなしだったものです。
そもそも「回内足って何?」と思われがちですが、ざっくり言うと足首の軸が内側に向く骨格をした人は「回内足」。
逆に、足首の軸が外側に向く人を「回外足」といいます。
少し修正した写真ではわかりにくいですが、筆者は回内足傾向。いわゆるオーバープロネーションで、よく「シンスプリント」に悩まされ、一時期は足底筋膜炎といったランニング障害で悩んでいたいこともありました。
当時は「どうしたら、着地を正せるのだろう」「痛みを消すためには、タオルギャザーが大事だ」と毎日悩んでいましたが、今だから分かるのが、回内足によるシンスプリントの対策には「太もももの内転筋を使おう!」というところなんです。
太もももの内転筋を使うと「着地」がソフトになる!オーバープロネーション対策に
『なんJ』に劣らずの雑なフォトショ具合ですが、若かりしときの筆者・当時28歳も、オーバープロネーションで苦労していました。
そもそも「回内足でシンスプリントになる原因」に関しては、医師も「??? なぜだろうね」というほどの未知数な部分はありますが、今でこそ言えるのが「着地が雑すぎる」という点です。
上の合成写真でも分かりますが、着地間際に外側から着地しているんです。
故障しにくい着地は「母子球から」というのが経験則なので、当時の筆者が故障しがちだったのも、今となっては「なるほど」と合点がいくもの。
そこでジョギングのときにも意識したいのが「太もももの内転筋」です。
そもそも内転筋といっても……
- 長内転筋
- 短内転筋
- 大内転筋
- 薄筋
- 恥骨筋
と様々ですが、医者ではない我々ランナーは「太もももの内側の筋肉の大きい部分」とおぼえておけばいいと思います。
「なぜ、内転筋を使えば着地がスムーズになるか?」
この理由は、下肢を支えるのが上肢だという部分にあります。
簡単に言えば、下肢は小さい筋肉群なので、作用点としては上肢の大きい筋肉を起点にするほうが力が大きい&下肢へのリスクが下がるといった点にあります。
例えば、太もも周りの筋肉が弱く、ふくらはぎが発達していても「着地運動の繰り返し」には、小さい筋肉のふくらはぎよりも、大きい筋肉の太ももが重視されるわけで、結局、下肢よりも上肢の方がランニング運動でも“重要”ということなんです。
では、「なぜ内転筋がオーバープロネーション対策に大事か?」というのは、実際に日頃の着地を顧みることが多ければすぐに分かるはずです。
「母子球」を使って着地を繰り返すには「内転筋」が大事
繰り返し言っていますが、内転筋を意識して走ることこそが「オーバープロネーション対策」&「シンスプリント対策」にもなりえます。
もちろん、オーバーワークはもっての外ですが、基礎となる“回内足の弊害”を振り払うには、予防こそがもっともな近道でしょう。
実際に走ってもらえれば分かりますが、着地の瞬間は「上肢」よりも「下肢」が意識されがちです。例えば、着地の瞬間には神経が足首から膝部分に多い…というのは当然なことです。
ただ、実はこれが「回内足」「シンスプリント」、人によっては「腸脛靭帯炎」を引き起こす原因にもなっていると筆者は考えます。
そもそも、膝から下の下肢は筋肉群が小さすぎます。
膝から上の上肢は「大腿四頭筋」や「ハムストリングス」といった大きい筋肉がある割に、膝から下には小さな筋肉群ばかり。
これでは、着地の衝撃を“下肢だけで受ける”と、膝から下に負担が大きいのは当然といえば当然ではないでしょうか?
なので、筆者が長年の経験からあみ出した答えは「内転筋を鍛えて、内転筋を意識した走りをする」=「オーバープロネーション対策」=「シンスプリントや足底筋膜炎の予防」ということなんです。
作用点を上肢にすることで、大きな筋肉群に頼りつつ、回内足の人は足が外側で着地しないように母子球を意識すること…がシンスプリント対策に大きな効果を及ぼします(個人の意見ですが…)
これまで「タオルギャザー」「ブロック注射」「足の指のマッサージ」などを試しましたが、結果的には「フォーム」そのものを見直すことも大切です。
特に秋から冬は血行も悪くなり、痛みが走りやすい人も増える季節。
ぜひ、今回紹介した「内転筋を意識した走り」と「母子球からの着地」を意識してみてください。
もちろんその動因となるのは“上半身の動き”となるのもお忘れなく。
オーバープロネーション(回内足)まとめ
最近、また少しずつジョギングを再開してきている筆者ですが、ペースが速かったころはよく「シンスプリント」に悩まされたものです。
当時は今ほど「思考すること」が少なかっただけに、勢いに任せていたのも否めません。
ただ、今の筆者の考えは「健康的に&細く長く&おいしいお酒を飲むこと」がランニングのモチベーション。もちろん、体調さえ良くなれば「記録」の二文字も狙うつもりです。
回内足=オーバープロネーションは、なかなか自覚できないものです。
ですから、日頃から「下肢」よりも「上肢」、特に内転筋を意識したジョギングをしてみて、自然な着地点をみつけることができるようにしてみることをおすすめします。